スケートセッションを終えた後、晩飯を囲いながらスケート談義で盛り上がる。今までもこれで、これからもこれ。生産性のないジャンクな会話がほとんどだけど、たま~に生きるヒントがチラホラ。どちらにせよ僕にとってはプレシャスな時間。先日もまた、あるトピックでヒートアップした。お題はと言うと“ストリートでのトラブル”。これはもうスケーターである以上、もれなくついてくる永遠のテーマ。セキュリティにキックアウトを喰らうってのはもはや飛び込んだコンビニの便器が和式ってぐらいのレベル。むかつくけどしょうがない。このレベルだとトラブルではなく、ただダルいだけ。ではトラブル話ってのはどんなことかっていうと、警官に連行されたとか、器物損壊うんぬんだとか、わけのわからない輩に絡まれたとかそういった類い。ことの大小に関わらず、残念ながらその手の話は近場から海外も含めてエンドレスに出てくる。他人事だと思って最初は笑っているも、話が深い水域までいくとけっこう精神的にやられる。そういう自分も、その類いの経験値が高い方なので、ギリギリでセーフも多いけど、完全にアウトもそれなりにありまして。
まあ、スケーター側から言わせてもらうと、たかだかスケートだし、ある程度の配慮はしているつもり。商店街のど真ん中で滑っているわけでもなく、人気の少ないビル街とかを選んで滑っている(少なくてもマイポッセは)。とはいえ、スケーター目線ではないところからすると、こちらの都合なんて知ったことでなく、スケーターは社会の敵、あるいは反社会的因子、ってところにあえなく着地。
いや、待てよ、そんなところで落ち着いてはならない。オレたちは誇り高きストリートスケーターではないか。オレたちが知らないだけで、“社会になにかしらいい影響を与えていることもあるに違いない”。ということで、実際にストリートで滑っていて、誰かの手助けをしたとか、手柄を立てたとか、プチがつくレベルでいいのでストリートスケーターの社会貢献度の実例を挙げてみようではないか、ということになった。次から次へと武勇伝が飛び出してくるかと思いきや、スケート歴15年以上選手が4人もいて、フリーズ状態。サラダバーでがっついてきたフレッシュがうたい文句のレタスも、テーブルの上でしなびきっている。
そ、そうだ…。あの出来事は、ポツポツと雨が降り出した、とある夏の夜に起った。(続く)