スケートシーンを牽引する現役スケーター、スケートカルチャーを築いてきた伝説スケーター、またスケートボードを取り巻く幅広い才能の生の声をお届けするSliderも創刊から早2年が経った。スケーター、デザイナー、フォトグラファー、クリエイター…これまでに100名近くの才能を取材してきた。そして今回で8号目を迎えた本誌では、スケートインダストリーに存在する数々のブランドの中でもその歴史とともに歩を進めてきたVansに焦点を当ててお送りする。
まず海外取材するにあたり、いつも思うこと。それは現地に飛んで蓋を開けてみないと何もわからない。日本を離れるまでに取材対象とアポが取れていても、対象のタイミング次第で取材が実現しないこともあれば、まったく連絡が取れていなくてもなんとか取材を敢行できることもある。というわけで現地へと向かう機内が一番緊張する。今回も例外ではなかった。実は今回のVans特集では、LAに着くまでアポが取れていたのは皆無という絶望的な状況だった。文字通り、機内で頭を抱えて現地へと飛んだわけだが、1年を通してスケーターがもっともツアーに出る夏期ということもあり、LAに誰もいなければお手上げ。しかもちょうどロンドンでDowntown ShowdownというVans主催のイベントも開催されていたため、誰がLAエリアに戻っているかという確証もなかった。
でもまあ、どうにかなるもんだ。同行フォトグラファーのケン・ゴトウ氏のコネクションをフル活用し、本特集ではどうにかジェフ・ロウリー、AVE(ジェイソン・ディルも登場)、レイ・バービー、アレックス・オルソン、ジョニー・レイトン、アンドリュー・アレンに辿り着くことができ、取材を無事敢行することができた。そしてその中でもシーンを牽引するロウリーとスケートカルチャーを築いてきたバービーの生の声は本当に貴重なものだった。アポ取りに協力してくれたFlipのフィルマーのイワン・ボウマン、そしてスケートショットを提供してくれたVansの専属フォトグラファーとして活躍するアンソニー・アコスタに感謝。ちなみにスケートショットはすべてアメリカのスケート誌でも未使用なものばかりなのでお楽しみに。
’66年に誕生し、’70年代からスケートを支えてきたVans。OFF THE WALL、サイドストライプス、ワッフルソールというVansを象徴する3つのキーワードのあまり知られていない誕生秘話。そして同ブランドが抱える素晴らしいライダーの生の声。
Slider Vol. 08は今月、9月30日発売。是非、お手にとって熟読していただければ幸いだ。Vansの魅力なんてスケーターならずともご承知だろうが、さらなる魅力が本誌を通して伝われば、と思う。