年末年始をつかって海外旅行へ、なんて人も多いのではないでしょうか。なんで今回は、空の旅にまつわるちょっとした話です。
フライトが好き、なんて人も中にはいるようですが、自分はかなり苦手。特にロングフライトを強いられる欧米への出張は、苦行以外の何ものでもありません。とはいえ、スケート関連の仕事に従事する身として欧米への出張は避けられないので、自分なりに上手くつき合っていく方法を見つけて対応しています。
まずは、席の確保。これが長旅の明暗を分けます。図体が無駄にデカく、さらにはトイレが近いとなると、是が非でも真ん中の座席を避けなくてはなりません。窓側もNG。なんで長年の経験で編み出した最善策は、非常口横の座席をゲットする。要するに扉の隣の席で、ここは自分の中ではビジネスクラスの扱い。足は伸ばせるし、目の前がトイレなので、並ばなくても人の流れを見ながらサクッとトイレへインできる。さらには機内食が一番最初に届くという奇跡のスポットなのです。航空会社や時期によっては事前に席を指定できるプランもあるけど、繁忙期や急な出張だと理想の席が確保できないこともしばしば。それでも非常口横の席は、サンクチュアリとばかりに空いています。というか、基本空けてあるらしいです。なんでチェックインカウンターで、「非常口横の席にしてください」と我が物顔で言うとすんなりメイクできます。ポイントは、担当者が面倒くさがらないような配慮が大切です。たいてい女性スタッフが担当しているので、カウンターへ呼ばれた瞬間からできるだけフランクに振るまい、いい感じにコミュニケーションをとる。そしてヘアスタイルでもアクセサリーでも名前でも何でもいいので褒める。あとはお決まりのフレーズをハッキリと言い放つ。優しいけど意思が強い、というような男を演じればよいのです。
ゲットしてしまえばこっちのモノです。長旅の間、トイレに立つ人間を観察してみたり、テイクオフとランディングの際に真向かい座る小綺麗なCAを見ながら、卑猥な妄想にふければよいのです。すべてが完璧なこの席は、まるでエマニュエル夫人の籐椅子のように魅惑に満ちています。
そんなakaエマニュエルシートですが、唯一の弱点は隣の席には必ずといってビジネスマンが座ること。旅慣れしたビジネスマンが、自分と同じような思惑でこの席をゲットするので、かわいいい女子と異文化交流する可能性はかなり低めです。
それでも長いフライトを窮屈な思いをせず、素敵な妄想にふけりながら目的地へスムースインできるのであれば、少なくても自分はテールを叩き続けます。ちなみに最後に海外へ行った際にゲットしたエマニュエルシートでは、隣に座ったアジア人の男が、エンストを起こす手前のアメ車なみにゲップをしまくっていました。