マレーシアで日本人観光客やマレーシア在住日本人に向けた情報サイト、マレーシアマガジンの編集長である中村 誠氏から1通のメールが届いた。VHSMAGのPostaのコーナーで紹介させてもらった、マレーシアで活動する日本人スケーター宮坂剛矢(14歳)が、6月29、30日にマレーシアで開催された"Asian Extream Sports Championship2013"に日本人としてただひとり出場。アジア各国の強豪たちと戦い、Ss Bigspin Boardslideで見事Best Trick部門で優勝。賞金の$1,500をゲットしたとのこと。
また、上記ニュースと同じタイミングで、もうひとつのビッグニュースが…。それは6月28~30日にかけてチェコのプラハで開催された"Excellent Mystic Sk8 Cup 2013"で、瀬尻 稜が見事に優勝を飾ったとのいうもの。これで彼は、5月に開催されたFar'N Highに続き、世界の大会で2連勝したという日本のスケート史上最大の快挙を達成しました。
スケートパークの増加やスケートスクールの充実、スケートを始める時期の低年齢化により、日本のキッズスケートシーンはどんどん盛り上がり、それに伴い、キッズスケーターのスキルの方もどんどん高くなってきているような気がします。
スケートボードの魅力というものには「試合に勝つ」という競技スポーツとしての面以外に、自由な表現方法としてのアートフォームや生き様、そして個性的なスタイルを魅せるという面もあります。
個人的なイメージですが、前者と後者には世代間による大きな隔たりがあり、ヤングたちは前者、OGたちはより後者を重視する傾向にあるのではないでしょうか。当然ながら、スケートパークで練習を行う若い世代のスケーターと、ストリートに出て自分のスタイルを磨くスケーターとでは、価値観や目的に大きな格差があるのも仕方がありません。
スケートボードのカルチャーを深く掘り下げて紹介していく雑誌であるSLIDER読者のみなさんの中には、スケートボードを競技スポーツとして取り組んでいるヤングスケーターたちに、もっとストリートスケートのかっこ良さやスケートボードのカルチャーを知って貰いたいという意味で、こう思っている人もいるかもしれません。「近頃の若いヤツらは…」と。
自分はその言葉を聞くたびに、あるひとつのエピソードを思い出してしまいますので、ここに紹介させて頂きます。
紀元前3000年、今から約5000年ほど前に作られたエジプトの碑文を解読したところ、こういう文字が書いてあったそうです。「近頃の若いヤツらは…」と。
スタイルや価値観は違えど、みんな同じスケーターで、スケートボードを愛し、多くの時間と情熱をスケートボードに注いでいます。競技スポーツとしてのスケートボードも、スタイルやアートフォームを追求するスケートボードもみんな同じスケーター。これからも、日本人スケーターはどんどん海外の大会で優勝をもぎ取ってほしいし、スケーターならではの美意識の追求やカルチャーへのリスペクトをし続けてほしいと個人的には思います。
6月29、30日にマレーシアで開催された"Asian Extream Sports Championship2013"のBest Trick部門で優勝した宮坂剛矢。