SLIDER 場外乱闘・番外編 MASTERPIECE

 本日、SLIDERのVol. 22が発売されました。今回のメイン特集は、2年ほど前のVol. 14でも敢行した“The Masterpiece of Skateboarders”の第2弾。つまり、スケーターたちが大切にしているものを通して、彼らの私生活や嗜好を垣間見ようというもの。ウエストコーストから7名、そしてイーストコーストから4名。アメリカを拠点に活動する11名のスケーターを厳選して今回の特集が実現しました。しかも撮影を担当してくれたフォトグラファーもケン・ゴトウをはじめ、ジョー・ブルック、ジョナサン・メリング、サム・ミューラー、マイク・ブレイバックと豪華な面々。そんな彼らが100点以上にもおよぶスケーターたちの“マスターピース”を撮影してくれました。
 それぞれに込められた思い出や背景を、持ち主のインタビューを確認しながら原稿を書き進めていくのですが、彼らのマスターピースは実に多種多様でした。スポンサーのギア、仲間の写真、愛犬、レコード、アート、思い入れのあるデッキ、ステッカー、趣味の道具などなど。驚くほど貴重なものであったり、ただただクールであったり、ドラマチックな裏話があったり。登場するスケーターの知られざる一面がぎっしりと詰まった特集となっています。
 となると、やはり自分にとってのマスターピースについても考えさせられます。特集の最後にエディターたちの私物も掲載させていただきましたが、今考えると、どんなスケーターにも共通するマスターピースは、仲間とスケートをして楽しんだ時間だったり、トリックをメイクできた達成感だったりという貴重な経験であるような気がします。そして、自分次第でスケートを通して国境を越えたネットワークを築き、世界を舞台に活動できるという可能性だと思います。そのような活動はインターネットやSNSが広く普及したことで機会は増えたものの、まだまだ稀な存在です。そんな中、HaroshiはHUFの専属アーティストとして世界を舞台に活動していますし、The Skateboard Magの最新号ではONE DAY in SKATEBOARDINGという企画でチョッパーこと中村泰一郎が登場するとのことです。本企画は、アメリカを中心に世界中の25ほどのグループに声をかけ、Berricsのローンチ記念日に世界同時に撮影をするという内容で、The Skateboard Magのウェブサイトのトップページにも荒川晋作によるチョッパーの写真が掲載されていました。このようなグローバルな活動こそ日本のスケートシーンにとってマスターピースと言えるのではないでしょうか?
 ということで、あなたにとってのマスターピースとは何ですか? SLIDER Vol. 22を通して、自分自身のマスターピースに思いを馳せていただければ幸いです。


自分にとってはFESN『東西南北』('97年)もマスターピースです。
なんとSLIDERとVHSMAGの両方で一緒に仕事しているKEと自分のフルパートが収録されています。