唐突ですが、“スケートボードと社会”というテーマでなんとなく考えてみたことを今回は書き留めていきたいなと。
スケートボード、もしくはスケートボーダーは一般的にどのようなイメージでしょうか? 推測するに「かっこいい」というポジティブなものもありながら「怖い」、「うるさい」、「不良」みたいなネガティブなものも多いのではと思います。
今やスケーター間の都市伝説に近い「2020年の東京オリンピックから、スケートボードが正式競技になるかも」なんていう話をちらほら聞きますが、個人的には、スケートボードやスケーターの社会的地位の確立こそがオリンピック実現の近道になるのではないかと考えております(もちろん、その裏には金や政治などいろいろあるとは思いますが)。
では「スケートボードの社会的地位の確立ってどうやんの?」ということになってきますが、それはやはり「スケートボードが社会にとって有益なものである」ということを多くの人に知ってもらうことではないでしょうか。
海外では、治安の悪い地域にスケートパークを作ることで犯罪率が低下したという話を聞いたことがあります。これは「スケートボードが社会に有益なものである」ということを示す例の一端ですが、これらを一般に啓蒙していくには手間も時間もはかりしれません。ですので、一番効果的なアピール方法は「スケーターから社会に有益な人物が生まれる」ということだと思います。
例えばですが「スケーターの起業家、スケーターの医者、スケーターの政治家、スケーターの大学教授、スケーターの芸能人、スケーターの弁護士…」などなど、職業はなんでもいいのですが、一般の認知度が高く、社会に貢献でき、強い影響力を持つスケーターが数多く出れば、スケートボードのイメージは自ずと良くなるし、若いスケーターの夢や目標にもなるのではないでしょうか?
アメリカのスケーターはスケートボードで富と名誉を勝ち取ることができます。スケートボードにアメリカンドリームがあり、それを目標に世界各地からスケーターがアメリカに集まり、切磋琢磨し合います。そしてスケートボードで成功を手に入れたスケーターは、自らがスケーターの規範としてあるべく、誠実で、人間的に尊敬できる人が多いように思えます(これまで自分が接することができた海外のトップスケーターの印象です)。
日本のスケーターたちにも、そういう「成功例・模範例」をわかりやすく提示することで、夢や希望を持ってスケートボードに取り組んでもらうことができるのではないかと思います。そして、スケートで成功を手に入れた者が、社会やスケートシーンに還元をする…というサイクルが理想的ではないでしょうか?
「それじゃあスケートボードの本質が一般層にまで伝わらないだろ」という意見もあると思いますが、それを最初のフェイズとし、そこから徐々にディープな魅力を伝えていくのがいいのではないでしょうか?
とまあ、一方的に自分の考えを書き留めてまいりましたが、日本のスケートボードシーンやスケーターが社会に受け入れられ、より成熟することを願って、今回のスライダーコラムは〆させていただきます。
スケートボードの成功者たちのインタビュー&フッテージ。トニー・ホーク、ライアン・シェクラー、チャド・マスカにオーシャン・ハウエル。