SLIDER 場外乱闘・番外編 専門誌の広告営業というもの

 今の出版社に入社してはや10年が経ちますが、その前は世界3大サーフブランドのひとつ、豪州RIPCURLのジャパンライセンシーに勤めたコトがこの業界に足を踏み入れたきっかけでもありました。
 当時は出勤前もガッツリサーフィンしてから出社し、夜も遅くまでパーティをしながら睡眠も大してしてとらずに翌朝また早朝の海へ向かうという、夢のようでもあり今では体力的に不可能な生活を送っていたものでした。
 その時は、湘南のリテール営業とウエットスーツの企画生産管理と広告出稿を兼務していたのを覚えてます。

 ある日、自社の広告出稿金額を基準に、専門誌の出稿ページ数を掛けておよその売り上げを計算してみたところ、大きな数字が電卓の液晶画面に映し出されたのを今でも覚えております。
 月刊誌だとさらにここから12ヵ月を掛けて、年に1度のカタログ号も合わせるとまぁ、アベレージ年間1億から数字を考えた方が早いことに驚いたものです。商品在庫リスクのない紙媒体に魅力を覚えつつ、なおかつ雑誌の広告営業という、単に売るのではなく企画やある種の文化的な活動にとても興味が湧き、気づいたら今の出版社でサーフィンの専門誌営業に従事することとなりました。
 業界的には成熟期にあり、名だたるメーカーの社長さんたちはサーフィンのパイオニア的な存在で世界にも打って出ており、コンペティション全盛のためプロダクツの消費もいい時代。みなビジネスを開拓してきた自負と、バイタリティに溢れている人ばかりでした。当然、個性も強烈で、自分のような若造は木の葉のようなあしらいを受け、体育会的な洗練を数多く受けてきたのも今ではいい経験の肥やしとしてしっかり活かされております(笑)。

 その後、SLIDER誌を立ち上げることとなり現在に至りますが、サーフィン業界との違いを感じたのは、業界を牽引されている世代が創刊当時は特に「違うな」と感じました。それは、サーフィンとスケート業界で比べると大体1世代ほどの差があるのかな? と思いました。スケート業界で中心的に活躍されている方が中堅世代が多く、キッズもそれに続いている印象をとても強く受け、同時にとても未来のあることだと感じました。
 それはストリートやパークなど玄関を開けたらすぐにプッシュできるスケートボードの自由さからきているのかな? とかあれやこれやと考えておりましたが、細かいことはさておき、とにかくハードコアでアンダーグラウンドさを持ち合わせ、自由でメロウな雰囲気も持つスケートの幅広さと、とにかく「自由」な感覚に新鮮さをとても感じておりました。同時に今までスケート業界への広告営業に苦手意識やコンプレックスを感じていた自分には、みなさんの人間的な温かさのおかげで、それまでのイメージが払拭されて気持ちが楽になったこともよく覚えています。
 専門誌の営業というのは特に「リアルさ」が大事だというのをサーフィンでも感じていたので、正直今の私にはスケートスキルは皆無で板もロクに叩けず、クルージング止まりですが、とにかくみなさんがそれを我慢されていると思いつつも少しでもその考えや思っている世界観の思考に自分も近づき、広告営業を通じて、面白いコトをするお手伝いをこれからもできればと思います。

 んで、やっぱりビア~♪ で乾杯! これ共通のノミニケーションですね!

おしまい