時は20XX年、新第三渋谷センター街。
2000年初頭にこの辺りで遊んでいた元若者から見てですら、男性とも女性とも見分けのつかないファッションをした若者達が何の目的もなさげにたむろしている。
何気にその彼らの会話に耳を傾けてみるのだが、もはや宇宙語の如く何を言っているかは理解不可能なオリジナル言語が飛びかう。
その時であった。
「我々美~、これで良かった~?」と何らかの清涼飲料水かアルコール飲料かとも得体の知れぬ物を手渡している。
昔で言うパシリであろう。
勿論「ガガミ(我々美)」と言うその名も、その子の親の世代が若かりし頃にレディー・ガガというスターが大人気だった事は薄ら覚えているので、その理由を推測するに難しくない。
そのすぐ後であった。
「超ゴメリ~!!」
???
「ゴメリ???」
一瞬、またもや新しい宇宙語がとびでたと思ったが、すぐにどういう意味か理解できた。
そう、短縮系にはなっているものの、実は「ゴメリガトウ」という意味を指している事は容易に推測できた。
皆さんもよく思い出して欲しい。
人にお願い事をした時に「ありがとう!!」という感謝の気持ちを述べると共に、特に人に何かパシッてもらった時など、その日本人気質から同時に「申し訳ない!!」という気持ちが湧いてくる事は誰にでもあると思う。
そう、その感謝の「ありがとう」と申し訳なさの「ごめんなさい」が上手に絡み合い溶け合いながら「ごめりがとう!!」という言葉はリアルストリートよりクリエイトされたのである。
それは、まさに底辺で虐げられてきた人種の人達が何らかのリアルストリートカルチャーを生み出す事と、まさに本質は同じである。
一見、だらし無く目的意識もなさげに生きている様に見えた若者達も、実は「和」の心、日本人の古き良き心は失っていなかったのである。
そう考え、その外見から彼らに対して偏見の目で見てしまった自身を自戒の念にかられながら、微笑ましい気持ちで彼らを見つめた。
その刹那、嫌な雰囲気を感じる。
「ざわ、ざわ」
「ざわ、ざわざわ」
気がつくと男性とも女性とも見分けのつかぬその若い方達が、私の周りをグルリとお囲みになられている。
どうみても殺気立っていらっしゃるのは、そのジェネレーションギャップに関係なくすぐに気がついた。
「おい親父~、何見てんだ~、おめえ盗撮魔だろ、この変態、ジロジロ見てんじゃねえぞ~、ちょっと裏来いや~こらっ!!」
この後、どうなったかは想像するに難しく無い事は語るまでもないだろう。
と、近未来短編SF風に書きましたが、皆も感謝・申し訳なさがあいまって表現できない場合、今後は拳を合わせると同時に今回俺が創作したオリジナル単語「ごめりがとう!!」を使うことにより、より良い人間関係がつくれるのではないでしょうか。
あっ、勿論、ナウい事を求めているヤングなら「ゴメリ~」と短縮形や「ゴメリッチョ!!」と「チェケラッチョ!!」の様に使用する事により、さらにオリジナルスタイル度数が増すので是非、お勧めです。