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俺が20年以上に渡り運営しているブランド、WHATEVERでは基本的に…
──考戦 

2019.05.23


俺が20年以上に渡り運営しているブランド、WHATEVERでは基本的に流行り廃りは関係なく普遍性あるデザインを創る事を目指しています。

そんな中、十数年前に創った「考戦」と言うデザインを2年ほど前にプチセルフリメイクしたのですが、特にどこで紹介するでもなくひっそりと発売していました。

最近になり、OSAKA DAGGERS最年少で高校3年のHAYATEが興味を持ってくれたので、昔であれば少し難解で小難しく感じられていたであろうデザインの説明文も、今の若い子なら理解度も高まっているであろう事に気が付いたので紹介してみます。

 

↑わずかにしか変わっていないが、こちらが10数年前のオリジナルバーション。

 

↑こちらがオマージュもとの本家CRASSのデザイン。

CRASSに興味がわいた人は是非、自身でググってみて下さい。

 

以下、当時のデザイン説明ですが、俺の頭の中もこれを書いた時より十数年分は進歩しているので、細かい所は俺の現在の表現とは異なり稚拙な部分もあるかと思います。

ですが、過去を無かった事にする様なのは好きではないので、加筆修正はしていません。

言いたい事の本質は普遍かと思うので、是非、チェックしてみて下さい。

 

WHATEVERを運営する上で大きな影響を受けているイギリスのPUNKバンド「CRASS」。

その彼らのキャッチコピーの一つに「反戦」というのがあり、そのデザインは、Tシャツ、パッチ、バッチ等にもなっているので目にした事がある人も多いと思います。

今回のこの「考戦」はそのCRASSの「反戦」デザインをもとにWHATEVERなりの見解を含めてパロディ化しました。

今までは、“戦争”については深く考えた上でないと、安易に発言するべきではないと思いテーマにしてきませんでした。

そんな中、紆余曲折を経た今、ある程度は発言できる部分もあると思い今回のデザインとなりました。

見ても分かるように単刀直入に「戦争についてしっかり考えよう」というのが大きなテーマです。

一般論として「戦争が無ければ良いのに」というのは、小・中学生でも分かるし、そういう事から純粋に「反戦」や「非戦」を掲げている若い人達もたくさんいます。

勿論、その純粋な気持ちや熱意は凄く良い事だと思います。

しかし、今から書く内容はそれらの人達にとって否定的に感じられてしまう可能性もあるかもしれません。

ですがこの文章の目的は、皆が今まで考えて来た事、やってきた事を否定し、落とし込めるのが目的では無く、しっかりと物事を考える事により本当の意味の価値観の幅を広げ、しっかりとした自分自身を形成するのに役立てて貰う事を理想目的としています。

なので、もし読み進めていくうちに自分が考え行動して来た事に疑問を感じたりしても、決してネガティブに捉えるのではなく、価値観の幅が広がったのだとポジティブに捉え、成長の糧にしてもらえれば嬉しく思います。

まず、「反戦」を唱える時しっかり考えて欲しいのは、安易に何億回「反戦」を叫んでも、世の中は変わらないという事実を認識する事が大事だと思います。

何故かと言うと世の中には、「戦争」をするべきだという対立した意見の人もいるからです。

では、次に何をすれば良いのかという事を考えた時に、やはり意見が対立するからには対立する理由を知らなくてはいけないのですが、若い人の大半は対立する相手から明確な意見を聞きだす前に自分の中で勝手に自己完結してしまっている人が多いのではないでしょうか?

例えると「あいつらは金が欲しいから戦争している!!」とか「石油の利権だ!!」とかいう意見をよく耳にしますが、一旦深呼吸して思い返して見て下さい、それはどこの誰が自分自身の責任において明確に発言していた事実なのでしょうか?

実は大半は、根拠の立証されていない主観でしかない事を平気で述べる二流のメディアや噂レベルや自分の思い込みレベルの想像でしかない場合が多く、実は何一つ明確な証拠の基に立証できる要素は無いのではないでしょうか?

こんな根本的な事にも気付かず一方通行的に自分の意見ばかり主張していては、単なるパラノイア(妄想)で世に言う春先に出てくる少し危ない人となんら変わりません。

「じゃあ、戦争するべきだと考える側の理由っていったい何?」と思う人も多いと思うので数多くあるであろう理由の一つを例えると、日本やその他の国が軍国主義で非民主的な状態だった事が過去に事実としてあった事は知っていると思います。

シンプルに想像力を働かせた時、あの時もアメリカ国内で反戦を掲げていた人達は恐らくいたでしょうが、仮にアメリカが非武装を貫き日本が戦争に勝ち、日本がそのまま独自の思想を基に突っ走っていたら世界で最も危険な国になっていたとしても不思議はありませんし、さらに軍事力の拡大をはかり、その脅威で世界を独裁的に牛耳っていたらどうなったでしょうか?

何も考えず安易に反戦を掲げていた人達はどういう風に責任を取るつもりだったのでしょうか?

それらを想像した時、先日の大量破壊兵器の有無を発端とした戦争も、結果として大量破壊兵器が発見できなかったに過ぎず逆に実際持っていたらどうなっていたでしょうか?

それらの危険性を未然に阻止する為に最大限考えた上で、他の方法論が見つからなかった為の結果としての戦争で、事後結果としてたまたま石油の利権やお金も手に入っただけの可能性はないのでしょうか?

昔なら、いくら危険な思想を持った国とはいえ、ギリギリまで様子を伺い、先制攻撃という選択肢は選ばず、実害があった時点で始めて反撃するという選択肢もあったのでしょう。

ですが現在の核等の軍事力の脅威は昔とは根本的に違います。

仮にむき出しになった核爆弾のボタンの周りを言葉の通じないチンパンジーがハイテンションでうろうろしていたとします。

勿論、大前提でチンパンジーを殺さなかったとしてもボタンに触れる事すら無い可能性も含め最大限考えた上で、実害があってからでは取り返しがつかない、という判断のもと、自分達の身を守る為に仕方なく罪の無いチンパンジーを殺したとします。

ですが、たまたまそのチンパンジーの毛皮が高値で取引される様な物だったとして、大して事情も知らず深くも考えていない第三者に「罪の無いチンパンジーを金の為に殺した!!」と否定されたらどうしたらいいでしょうか?

あくまでも目的は自衛で、たまたま事後結果として何らかの利潤が生まれる事も世の中には有り得るのではないでしょうか?

世の中には物理的に可能な事と不可能な事があり、どうしても二者択一の選択を迫られる場合もある事は皆も知っているはずです。

なのにそれらを認知する努力を怠り、無いものねだりのワガママで安易な発言で無責任に「反戦」を唱えるだけでは、場合によりそれら全てを飲み込んだ上で世界平和への選択肢として戦争せざるを得ないと考え実質行動している人達の足を引っ張っている事になる場合もあるのではないでしょうか?

「日本の若者は平和ボケしている」的な事をよく耳にしますが、そんな自由で民主的な生活が出来ているのも、過去に事実として戦争があり、その戦争に負けた事による部分も多いのでは無いでしょうか?

もちろん戦争による犠牲者の存在を「仕方ない」の一言で終わらせようという意味ではありません。

ですが犠牲者の存在に固執しすぎる事、と本当の世界平和の為には何をしなければならないかを考える事、とがごちゃごちゃになってしまっている場合も多くあるのではないでしょうか?

ここまで読んで戦争を肯定していると誤解する人はおよそいないと思います。

結論を言うと、当たり前レベルの想像力をしっかりと駆使し、しっかりと事実関係を理解し、しっかりと物事を考える事により、本当に戦争を無くす為には根拠も無い単に多数派である民意に流されるのではなく、自分自身がどういう行動をとらなければならないかという個人レベルの答えを模索しなくてはいけないのではないでしょうか。

今回のデザインはメッセージ性を優先順位に置いている為、貧相に見えるかも知れません。

ですが少数派でもそこに真の価値を見出している人に選んでもらえると嬉しく思います。

 

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中村泰一郎:ナカムラ タイイチロウ
日本で唯一の国際プロスケートボーダー。
世界流通を持つBAKER BOYS DISTRIBUTIONの傘下ブランドHEROIN SKATEBOARDS所属。
世界流通で定期的にプロモデルをリリースしている。
世界的に知る人ぞ知るOSAKA DAGGERSのリーダー。

INSTAGRAM:@CHOPPEROSAKAJPN
FACEBOOK:中村泰一郎(CHOPPER) 
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