台風の影響で中止となってしまったChimera Games Vol. 6のA-Side。ス…
──第29回:CHIMERA A-SIDE
最初に言ってしまうと、今回のコラムは台風24号の影響で中止になってしまったコンテストの裏話です。
9月29・30日の2日間で行われる予定だったChimera Games Vol. 6ではA-Sideというコンテストのエリアを設け、スケートボード、BMXフラットランド、BMXストリートパーク、インラインスケートという4競技の同時開催で賞金総額1200万円という驚愕な数字。どこか別の世界のお話のようです。
この日のために3ヵ月間頑張ってきたスケートボードエリアディレクターの僕でしたが、開催の1週間以上前から天気予報は雨。特設パークを設営している間もずっと雨。気になり過ぎて10分に1度の間隔でポケットからiPhoneを出して予報を確認しても雨。土曜日だけは曇り予報だったのに途中で変わって雨。中国がオリンピックの開会式で空に謎の花火を打ち上げて人工的に雨雲を消したなんて話もありましたが、それを発注するか祈るかしかありません。
本番前日の金曜日は公開練習の予定でしたが、それまでずっと降っていた雨はピタッと止んでバカになっちゃうくらいの晴天。自分が設計したセクションを滑り倒すスケーターを見るのはこんなにもうれしいことなのかと密かに感動するも「週末は雨でーす」とスタイルを崩さない天気予報。しかし運営側としては開催できることを信じて準備だけは120%やっておかなくてはいけません。
気持ちいい晴天の金曜日、各ジャンルのディレクター陣は天気予報とにらめっこ。ここで補足すると、各競技のディレクターはそれぞれの競技のトッププロとして経験を積んできた人たち…その中にスケートボードのディレクターで僕……僕? ワタシ!? ダレ? 今まで国内外数々のコンテストで戦歴を重ね実績も十分な他のメンバーと、AJSAの本番当日の練習で緊張のあまりやったこともない技にトライしてグリッチョメイクしてエントリーを棄権していたこのワタシ?
というのは1回置いといて、そんなメンバーで1時間ごとの予報を見ながらなんとか降っていない時間帯を推測し、どうにかコンテストを完遂できないかというミーティングをしていると「どうやら土曜日の午前中はなんとか大丈夫らしい」と。それなら2日間にわたっていた当初のスケジュールを急きょ土曜日の午前中ですべて完結させようと強行プランを決定したワケです。遠くからはるばる来た人もいるため、なんとかみんな平等に走らせて賞金を出すとこまでやりたい。
スケートボードに関してはもともとひとり1分のランを2回やって高得点の方を採用するルールでしたが、某ライダーから「ジャムセッションでパパッとやっちゃった方がオモロいしいーんじゃないスカ?」 ほっほう。確かに! 47人エントリーしてくれていたオープンクラスのグループ分けはすでに終わってる。そのグループ単位でジャムをやれば大きな変更はなく行ける! いい面子だし絶対に盛り上がる。かなり小さな隙間に希望の光が見えた気がして、気持ちが高ぶるのが自分でもわかりました。
しかし現実とは無情なもので、当日の10時前に雨は降り出し、そのまま1日中降り続けコンテストは中止になってしまいました。あまりの事態に申し訳ない気持ちとやりきれない感情が湧き上がってきてその場を逃げ出したい気分でした。もしまたチャンスがあるならば次回は屋根がある場所での開催の提案か、中国に花火を発注するか…こんなことは2度と無いようにしたいと強く思うのでした。
そう言えばAJSAでは予選すら通過することができなかった僕ですが、ローカルの草大会では優勝や準優勝の経験があります。1998年くらいに吉祥寺パルコの屋上でやったコンテストでは準優勝して商品がなぜかBMX。謎だけどうれしい〜とか思いながら空気を入れて立川の家まで帰ったのですが、途中から天気が急変。大雨が降ってきて家に着く頃には僕もチャリもスケボーも荷物も全部びしょ濡れでした。あれ? もしかして僕 「混ぜるな危険」の雨男気質?
Daisuke Miyajima
@jimabien
M×M×Mの敏腕スタッフにして自称映像作家のジマこと宮島大介。伝家の宝刀Fs 180フリップをなくした今、どこへ向かっていけばいいのか迷走中。本能の閃きをたよりに書き綴る出口なしコラム。