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世界規模で盛り上がりを見せるスケートコンテスト。大会初参加の思い出からこれまでにやった面白…
──第24回:コンテスト

2017.05.31

 スケートボードのコンテストは好きです。いろんな人に会えたり、うまい人の神がかった滑りが見れたり、新しい発見があったり、単純に盛り上がったり。ただひとつ嫌いなのは、自分が緊張症で出番が来るとキンタマが縮み上がることです。
 スケボーを始めてまだ1年足らずの頃に僕のコンテスト初体験は訪れました。地元の立川で滑っていた時、近くの昭和記念公園でムラサキスポーツの大会があると聞いて友達と出ようという流れになったわけです。しかし、まだスケート歴1年未満の雑魚すぎる我ら立川クルーは「えーと、大会ってどういうルールっスか?」と先輩に聞かなければなりませんでした。
 聞くところによると「大会というのは持ち時間1分でトリックをたくさんメイクすればいい」とのこと。「ほうほうなるほどね、んじゃリハーサルね」つって僕らは雑魚なりに考えデジタルの腕時計を持っているヤツをタイムキーパーにし、1分間でなにかやってみようということになり、コンテスト前日にいつも滑っている場所でリハーサルを行ったのでした。1分間というのは意外とあっという間でしたが、トリックもいくつかメイクしリハーサルをまずまずの結果で終わらせました。
 当日、現場に行ってみて我ら雑魚クルーは完全なる「ポカン」でした。そこにはバンクやらカーブボックスやらクオーターやら見たことのない物体がたくさん置いてあり、生粋のストリートスケーター(?)だった僕らはそういったセクションの存在すら知らず、それはまるで携帯電話を目の前に出された原始人のような反応だったと思います。
 結果はというと、見事に散ったのは言うまでもないでしょう。自分の番になると足は震えるし、見たことのない物体に囲まれているし何していいか分からないし、前日のリハーサルとは逆に1分間の拷問処刑はまるで永遠に続くかのように長く感じ、鳩のように周囲をキョロキョロしながら処刑場をウロウロする姿は雑魚そのものだったに違いません。
 それから20年近く経過した現在、コンテストは著しく成長しました。大きなコンテストはどんどん大きくなりスケーターのスキル、セクションのデカさや多様性、観客や賞金の額も今やとんでもないことになっています。日本人の活躍も最近では目立っています。ナイジャー、オニール、そしてホリゴメってすごすぎるでしょ。
 また、小さなコンテストも各地で開催されるようになりました。僕が注目しているのはこの小さなコンテストのあがき具合です。小さいゆえに、いかに面白く変わったコンテストをやるかというのがこのジャンルで抜きん出る鍵となります。
 こういった小規模のコンテストは仲間内でやったりすることが多いので超自由です。なので個人的な意見ですが、オーソドックスな考えから少し外れて面白そうなことをやるのがやっぱ楽しいと思います。自分たちもそういうのを企画したことがあるのでちょっと紹介させて下さい。

 

ワンプッシュオーリーコンテスト

 これは単純に組みコーンを飛ぶだけのコンテストですが、最初は助走を長くとって徐々にその助走を短くしていきます。最終的にはスタートする地点に構えるとノーズの30cm先にはもう組みコーンがあり、プッシュして即オーリー! という謎のスキルが求められます。これは何が良かったかって、めちゃくちゃ狭いスペースで相当盛り上がれることでした。このコンテストの発案者はシゲ(重藤悠樹)だったのですが、彼が優勝を持って行きました。いろんな意味でお見事。

 

ミニランプでのスケートゲーム

 これは遊びではやったりしますが、大会として開催したというのを聞いたことがなかったのでやってみました。レベルに差が出過ぎないように人選さえしっかりと事前に行えば盛り上がること間違いなしです。この時のハイライトを勝手に紹介するとすれば、「西川 誠に食らいついた村岡洋樹」でしょう。優勝候補のひとりだった誠が、洋樹の出来なそうなトリックをいくつも繰り出すも、それを洋樹が返す返す。おそらくコンテスト中に5回はニュートリックをメイクしたであろう洋樹はさすがでした。それでも誠が勝ち、決勝は誠とシゲ。これまたシゲが勝ち優勝。な…なかなかやるな。

 

クイックでのハイオーリーコンテスト

 これもまた(自称)国内初であろうコンテストで、高さ10cmほどの台にオーリーで乗ってすぐさまハイオーリーのバーを飛んで高さを競うコンテストです。こちらの思惑通り、最初のオーリーでバランスを崩しそのままバーに突っ込む人や、普段余裕で飛べる高さで失敗したりしている人を性格悪そうな顔でニヤニヤ眺めていたのは僕です。すみません。ここではシゲは早めに撃沈していました。優勝は佐川海斗くん。深めに被ったキャップで表情は分かりづらかったですが、最初にワンオーリー入れているとは思えないほどキレイなオーリーで82.5cmを撃破。たぶん今のところ日本一です。

 

 他にも最近「お面をかぶる」、「テキーラ一気」、「スイッチスタンス」などのお題を引いてからトライするむちゃくちゃなコンテストとか、これはSNSで情報を見ただけなのですが、自分のコンプリートを一度バラしてからもう一度組み上げるスピードを競うという、スケートスキルに一切関係ないけどむちゃくちゃ盛り上がりそうなコンテストがありました。軍人が自分のライフルとかでやるヤツですね。ストリートのスポットでゲリラ的に開催するコンテストもありました。
 こういう面白おかしいコンテストは思いついたらどんどん実行していってほしいものです。可能性は無限だと思うし、絶対に開催側も参加側も楽しいと思います。

Daisuke Miyajima
@jimabien

M×M×Mの敏腕スタッフにして自称映像作家のジマこと宮島大介。伝家の宝刀Fs 180フリップをなくした今、どこへ向かっていけばいいのか迷走中。本能の閃きをたよりに書き綴る出口なしコラム。

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