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街を出よう。でかいバックパックを背負い、渋谷のスクランブル交差点で親指…
──第7回:HOW TO 日本でヒッチハイク

2013.06.04

街を出よう。でかいバックパックを背負い、渋谷のスクランブル交差点で親指を立てても誰も車を止めてくれないだろう……。間抜けなヤツに見えるだけだ。まずは、どの高速道路に乗る必要があるか調べ、一番近いサービスエリアに向かおう。バス、徒歩、プッシュ……方法はいくらでもある。

愛想良くしよう。東京を離れれば離れるほど、白人という事実がドライバーを脅かせてしまうということに気付く。ドライバーは私を避け、安全な車に戻るや否やチラチラ見てくる。そしてキキーッとタイヤ痕を残しながら猛スピードで走り去っていく。私は刃物を持った180cmのゴキブリのように見えたに違いない。というのは言い過ぎだが、ヒゲはきれいに剃り、できるだけきちんとした格好をすることをオススメする。タトゥは服で隠し、デッキもバッグにしまったほうがいい。そしてシャツを着ればなお良い。

ヒッチハイク用のサインを作ろう。サービスエリアの裏には、大抵の場合、ダンボールが落ちているので、必要なのはマジックペン1本のみ。サインには最終目的地は書かないほうがいい。“北”または“サービスエリアへ行きたいデス!!!”と書くのが好ましい。キミが外国人なら、地方には英語を話せる人が少ないので、“日本語できます!”と日本語で書いたほうがいいだろう。そして笑顔を忘れずに。¯_(ツ)_/¯

how-to-hitchhike-in-japan01

サービスエリアではポジショニングが重要。ドライバーはみんな用を足すものなので、トイレの前にポジショニングするのはグッドアイデアかもしれない。しかし、コカインのプッシャーに間違えられかねない……。オレはテーブルに腰を落ち着け、コーヒーを飲みながらサインを掲げる。そうすることでドライバーに話しやすい空気を与え、子どもを喰らうサイコではないことをアピールすることができる。しかも話しかけてくる人は、純粋に車に乗せてくれるナイスなドライバーに限定されるのだ。

車に乗り込み出発する前に、目的地を設定しよう。一番近いサービスエリアで降ろされても問題ないことを伝える。もしドライバーが同じ方面に向かうようであれば、そのまま乗せて行ってくれるだろう。

金。ガソリン代をカンパしようとしても、受け取ってはくれないだろう。私の場合は、まるでゲストをもてなすかのように、ネクストレベルの温かい歓迎を受けた。ランチまで振る舞ってくれたのだ。しかも、仙台へと向かう2台目の車はさらにネクストレベルだった。1組のカップルに乗せてもらったのだが、街を案内し、夕食を振る舞い、ホテルでの宿泊を拒否し、自宅に連れて帰り、風呂に入れ、酒を飲ませ、布団を敷き、朝食を作り、ビールと傘を持たせ、高速まで送ってくれたのだ。

ギブ&テイク。見知らぬ他人に対し、このような手厚いもてなしを受けた場合、どうお礼を言っていいかわからない。ほとんどの文化圏では、もてなしを断るのは無礼なものだ(モンゴルで、ドロドロで泡だった馬のミルクを出され、飲んだ瞬間、朝食を吐いてしまった経験があるが……)。そして日本では、一度は断るのが礼儀ということも知っている。私は温かいもてなしを受けたものの、どうお礼をしたらいいのかわからなかった。なんせ、コンビニでジュースを買う金もないのだ。それでも、なにか小さなお礼がしたい。そこで、私は彼らのポートレートを撮影し、冷蔵庫に貼れるように後日郵送することにした。少なくとも、ヒッチハイクをして乗せてもらった際には、ドライバーにできるだけ楽しい時間を過ごしてもらえるように心がけよう。楽しい話や経験をシェアするのだ。

how-to-hitchhike-in-japan03

道中すべてが最高の時間になることを期待しないように。東京近郊では乗せてもらうのに5分とかからなかったが、北上して東京を離れるにつれ、サービスエリアで2時間待つことがざらになった。雨の中でも待つ覚悟が必要。ファミレスで一夜を過ごす覚悟、そして土壇場で予定を変更する覚悟も必要だ。

 

※注記:私を乗せてくれたドライバーは全員、ヒッチハイカーを一度も見たことがなかったという。そしてそのほとんどが、外国人と話すのが初めてだと言った。日本はヒッチハイカーに優しい国だ。100%オススメする。タダだし、楽しいし、何かおもしろい経験をすることができる。ヒッチハイク初日には、今まで食べたことのない日本のお菓子を4種類も食べることができた。おもしろい人と出会うことができ、新しい街を見ることもできた。しかもこれはすべて無料。そして、自分で運転する必要がないため、エネルギーを使うこともない。ピース&ラブなのだ!

Laurence Keefe
@laurencekeefe

エンゲル係数高すぎスネークスタイルで、世界の秘境をスケボー片手に渡り歩くザ・トラベラー。合言葉は「旅の恥はかき捨て」。ローレンス流、地球の歩き方。

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