今回はスケートビデオには欠かせないオフショットについてお話します。昔からライダーの個人パートに最低でも1カットぐらいは差し込まれているオフショット。ほんの2~3秒と短い映像なのに妙に印象に残る、そんなオフショットがあれば、それは効果的に作用していると言えるのではないでしょうか。
では、どんなオフショットが必要か? という疑問が湧いてきます。それに対する答えとして、例えばNYの街角、ピチピチの革ジャンで湯気の出る熱いコーヒーを飲みながら一息つく映像、誰だかピンときますね。熱いコーヒーをすする仕草がとても印象的です。こんな風にそのライダーを圧倒的に印象付ける仕草や行動を映像で表現できれば効果的なオフショットを撮影することができたと言えます。
それは完全オフの時でも、スポットシークの間やセッションの間に垣間見るライダーの表情や行動が=(イコール)その人になればいいのです。良く使われるオフショットとしてライダーの車や好きな食べ物、家族、ペット、入れ墨(タトゥ)などスケート以外の趣味を表現することが多い気がします。見ている側がスケート以外に「こんなことに興味があるんだ」と思わせることができればマルですね。
日本人の場合とてもシャイというかカメラがあると必要以上に意識してしまい、普段の仕草やありのままの自分を出すことが難しく、効果的なオフショットを撮るのが難しいというイメージがあります。それに比べ海外のスケーターはカメラが回っていても意識せずに普段の仕草やいつも以上のリアクションをしてくれます。
ではどうすれば、シャイなライダーの自然なオフショットを撮影できるでしょうか。
一番簡単で効果的な方法としては、つねにカメラを回しながら話しかけることだと思います。カメラがあるのを忘れさせるように普段通りの会話をしながら撮影する。いわばハ●ドリ的な手法とでも言っておきましょう。初めは違和感があるかもしれませんが、自然にほぐれてくるはずです。「自分の声が入ってしまうのでは?」と思うかもしれませんが、オフショットの映像を編集する際、音声をカットすることが多いから心配ありません。ドンドンカメラを回してカメラがあることが不自然な状態から、カメラが回っていることが自然な状態になればこっちのものです!!
Takuya Nakajima
2002年よりFESNの専属フィルマーとして活動後、現在は都内の医療機関にて理学療法士として勤める傍ら、某デジタル系会社に勤務するMr.魚眼レンズ。