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加速する、ノーギミックな初期衝動。
フルプッシュニスト座間翔吾、21歳。
もう始まっている、もう止まらない…。
──SHOGO ZAMA / 座間翔吾

2018.12.17

Video: A Haters Production / Motion Graphic: Tomoyuki Kujirai / Photo: Shinsaku Arakawa
Special thanks: Remilla, Kyle Ke, Haruka Katagata

[JAPANESE / ENGLISH]

VHSMAG(以下V): まずはスケートとの出会いは?

座間翔吾(以下Z): スケートと出会ったのは小5です。小学校に入学した頃に初めてできた友達がスケートをやってて、デッキに乗らせてもらったのがきっかけ。そこからスケートにハマリしました。10歳だったから2007年のことです。

V: 当時観たスケートビデオは?

Z: 当時買ったのは『Last of the Mohicans』とかBPの『skate archives』とか。Blaze Pipeが家からプッシュで10分くらいの場所にあったからそこでよくスケートビデオを観てました。

V: じゃあBlaze Pipeでいろんなことを覚えた感じだ。

Z: そうですね。イーサン(石沢 彰)の存在とか。イーサンをビデオで観たり、新横のパークで実際に見たり。「なんだ、この人。ヤベぇ」みたいな感じで。イーサンはヤバかった。グッドヴァイブスの最高のスケーターです。スケートを始めた頃の話なんですけど、ウィールがすり減りすぎて小さくなっててBlaze Pipeに行ったら使用済みのSpitfireが置いてあったんです。ショップのスタッフに「このウィールください」って言ったら「イーサンのだから聞いてみる」って。そしたら快くウィールをくれて。うれしかったですね。

V: ストリートのローカルスポットはどこだったの?

Z: 蒔田公園でスケートを始めて、中1くらいからうみかぜ公園に行くようになりました。3、4年はほぼ毎日うみかぜ公園。スケーターが集まる場所だから刺激だらけでした。たまにウルくん(漆間正則)とか(高山)仁くんとかの世代が滑ってたり。それを見てさらにスケートにハマりました。

V: 影響を受けたスケーターは?

Z: 一番影響を受けたスケーターはホンちゃん(ours skateboard&Co店主)と仁くんですね。あと広島出身で横浜在住の(徳山)太志くんも2年くらいいろんな場所で一緒にスケートして映像を撮ったりしました。太志くんの影響で映像を撮りたいと思いました。

V: 仁くんに関しては? unownやRemillaのライダーということもあって彼の存在が座間ちゃんの中で大きい印象があるけど。

Z: そうですね。うみかぜ公園に通ってた時代に一緒にスケートして良くしてくれた人なんで。i-PathのシューズとかAceトラックとか個人的にくれたり。初めてのスポンサーもunownでしたから。仁くんの影響でスケートがさらに好きになったし、Remillaからサポートされるようになったのも仁くんがきっかけでしたから。Remillaはチームに入る前から仁くんのお古をもらって気に入って着てましたし。

V: もともと気に入っているブランドだったんだ。

Z: そうですね。あとサポート体制も自分のスポンサーの中で一番いいんです。今回のパート撮影でLAへの渡航費を出してくれたり。大きな会社じゃないのに、そういう形でスケーターとしての活動をサポートしてくれるところが魅力です。

V: Strush加入も最近のニュースだよね。

Z: Strushのビデオを結構昔から観ててもともと好きだったんです。それで竜さん(田中竜一)からオファーをもらって。ライダーもみんな好きだし。あとポリくん(野原新矢)がライダーなのもいいですよね。ホンちゃんの作った『Round and Round』でも一緒にパートを持った仲だし。


 

V: 『Round and Round』は2013年リリースだったね。

Z: あれが自分の初パートだったんです。あのビデオの撮影が一番楽しかったですね。当時はホンちゃんが仲間と井土ヶ谷ハウスっていうシェアハウスに住んでて。撮影が終わるとみんなで集まって焼き肉したりビール飲んだり。いつものそういう楽しい流れがあったんです。みんなでがんばって映像を撮って「家で焼き肉しようぜ」みたいな。みんなでスーパーに行って買い物して。そういう仲間との時間が楽しかったです。ホンちゃんのためにいい映像を撮りたいという気持ちも強かったです。「やってやろう」って。


 

V: 個人的に座間ちゃんのスケートスタイルが好きで、たとえばラインひとつとってもプッシュの入れ方が絶妙でがフロウがいいというか。スケートスタイルで気にしてることは?

Z: やっぱり自分が気持ちいいところで乗っているというか。流れを止めるのはあまり気持ち良くないから。あまり考えたことなかったけど、意識するわけじゃなく自然とそうしてるんだと思います。

V: 考えすぎずに感覚的にスケートしてるんだね。

Z: 本当に何も考えてないから…(笑)。純粋に「スケートがんばろう」って感じのことしか考えてないです。

V: なるほどね。ではトリックセレクションに関して考えることはある?

Z: そうだな…。Bs 180とか好きですね。シャクるのとテールをしっかり叩いて空中で回り切るのと、Bs 180にはふたつのパターンがあるじゃないですか。仁くんがその両方をやってて。同じトリックなのに全然違う。そういうのは面白いと思います。

V: このトリックは絶対にNGみたいなものは?

Z: ないです。何でもやってみたいと思うっすね。

V: そういえば今年は中国にも行ってたよね。Vans主催の#OffTheWallrideっていうショップ対抗インスタ動画コンテスト。unownが優勝したんだよね?

Z: そうですね(笑)。ウォールライドの動画を投稿して、アジアの上位4ショップが広州のHouse of Vanで行われるファイナル戦に招待されるんです。オーストラリア2ショップ、中国のショップとunownでした。各ショップ3、4人のチームで出場するんですけど、ライダーのひとりが行きの電車にパスポートの入ったバッグを忘れちゃって…。だからunownはたったふたりで出たんですよ。でも勝っちゃったみたいな(笑)。

V: そういえば、その1ヵ月くらい前にも上海に行ってたんだよね。

Z: Alltimersのダスティン・ヘンリーとエティエン・ガニエ、そしてフランスから来たドゥービーってヤツと4人でVansの撮影をしました。このときも楽しかったですね。世界中からVansのライダーが集まったんですけど、日本からはたまたまオレが誘われて。だから海外の連中とは中国で初対面。3階建てくらいの一軒家で4人で共同生活するんですよ。それで一緒に撮影した感じです。ビデオにはQuasiのジャスティン・ヘンリーとかチマ・ファーガソンとかも出てるんですけど、4グループくらいに分かれて1週間ずつ撮影してました。それで撮影を終えて帰国したら、例のインスタ動画コンテストでunownが選ばれちゃって中国に戻るみたいな。「またか」って(笑)。

V: 上海の撮影で印象的なこととかあった?

Z: ダスティン・ヘンリーがヤバかったですね。あの人はヤバい。何でもやるけど特にマニュアルが超上手かったです。しかもいいヤツだった。一緒に生活するから仲良くなれてよかったです。


 

V: では今回のパートについて。そもそもの撮影のスタートは2016年の年末のSLDのイントロビデオがきっかけだったんだよね?


 

Z: そうですね、あれがきっかけと言えばきっかけです。だから撮影期間は合計2年近くです。SLDの映像を撮っている頃にパートを作るオファーをもらって。ちょうどパートを作りたいと思ってたんでタイミングも良かったんだと思います。撮影で海外に行きましたけど特にLAは最高でした。日は長いし空気もカラッとしてるし。無駄なことを考えなくて済むっていうか…。日本ではいろいろ広告とか自然と目に入るじゃないですか。そういう邪魔なものがなくて「パッカーン」ってなってるからスケートだけに集中できる。通報されることもまずないから気が散らない。オレはスケートが悪いものとは思ってないから、それで怒られるのがすごくイヤで…。そういうストレスがないだけですごくいいなと思いますね。

V: スポットはどうだった?

Z: 映像で観たことがあるスポットでも、実際行ってみると全然できないことが多かったですね。路面も悪いしサイズもでかい。ホウキで掃かないと滑れないくらいゴミだらけだったり。とにかくラフで整備されてない感じ。でもゴミだらけのスポットに行く途中に道路の真ん中にホウキが落ちてたんです。LAに着いてすぐホウキ拾ったんでかなり助かりました(笑)。

V: 海外のスポットは実際に行かないとわからないってみんな言うよね。

Z: 歩道の繋ぎ目の幅もでかいからフェイキー系のトリックが難しかったり。「ここでやってんだ、ウソでしょ」みたいな。逆に台湾は滑りやすかったです。日本より断然いいです。

V: 今回のパートでこだわったことは?

Z: なんだろ…。ひとつひとつ自分の中で手を抜かないことかな。一生懸命やってないものがひとつでもパートに入ってたらイヤなんですよ。パートは全部の映像を一生懸命撮ったからこそアツいと思えるというか。上手いとか下手とかよりも、一生懸命の姿勢がスケーターの好きなところです。

V: 撮影を振り返ってどう?

Z: やっぱりパートを作るのは大変だと再確認しました。今回もそうですけど、100%満足できるパートを作るのはなかなかできないと思うから。今できたパートを先の自分が観てどう思うか。『Round and Round』とかTORIOTOKOの『愛の鉄砲玉』とか、今観ると撮影当時のことを思い出すんです。それと同じことを未来の自分に対して残している感覚ですかね。

V: でもたしかにパートは100%満足できないから次もがんばろうと思えるものだよね。

Z: たしかに。あとは自分がやりたいことを形にするために最後まで撮ってくれること自体がありがたいです。自分だけじゃパートを作れないし。だからスケートに対してアツい人から「撮ろうよ」って言われるとやる気になります。こんなこと言えたことじゃないけど、本気でやるんだったらちゃんと最後まで撮ってくれる人がいいです。パートは撮った人のエッセンスもあって完成するものだと思うから。

V: では今後はスケートで何をしてきたい?

Z: パートが完成して一区切りついたんで、撮影はちょっと休憩していろいろ考えてみようかなと。自分の気が向く方向に行こうかなみたいな。いつもそんな感じです。あとはイーサンみたいに、いつまでも人の心に残るスケーターになりたいですね。今後についてはそれが今一番思うことです。

Shogo Zama
@shogozama

Date of birth :
March 21, 1997

Blood type :
O

Birthplace :
Yokohama

Sponsors :
Remilla, Vans Japan, Unown, Sidechick Hardware, Strush, Ace Trucks

  • NB Numeric: New Balance
  • Opera Skateboards