数ヵ月前にWKNDやNew Balance Numericなどに所属するトム・Kことトム・カランゲロフがCloserの企画で来日し、取材する機会がありました。映画好きということもあり「お気に入りの映画は?」と尋ねると、「ころころ変わるけど、今は『ブレードランナー』」との答え。日本にいることもあり、歌舞伎町や道頓堀を彷彿とさせるシーンを思い出したようです。
そんな会話から『ブレードランナー』を手掛けたリドリー・スコットが指揮を執り、同じくディストピア感が特徴的な『ブラック・レイン』(1989年公開)を思い出しました。改めて観るとこれがまた最高。海外の監督の目線で日本を描くとなぜか雰囲気が違って見える。さらに主人公が海外の役者で、裏社会をテーマにしたクライム作品だとなおさら(ここ最近だと『TOKYO VICE』も最高)。キャストもマイケル・ダグラスやアンディ・ガルシアをはじめ、松田優作や高倉 健など豪華で骨太。撮影の規制が厳しく実際の銃撃シーンやカーチェイスはアメリカで撮られたそうですが、夜の大阪の混沌とした雰囲気がいい感じに描かれています。中でも旧阪急梅田駅のコンコースでのひったくりをきっかけとした首刈りシーンは鳥肌モノ。
トム・Kが思い出させてくれたオオサカノアール。『ブレードランナー』とともに『ブラック・レイン』を是非チェックしてください。トムのインタビュー記事も近日公開予定なので、そちらもお楽しみに。
—MK