なぜ日本の料理番組はグッと来ないのだろう。昼時に放送される料理番組は主婦/主夫に向けて作られているため、エンタメ性が求められていないのはわかる。あくまでも材料の配分や調理法といった効率的かつ実用的な情報さえ伝えることができればOKということなのでしょう。一方で料理をテーマにしたバラエティ番組もありますが、この類のものは大抵バトル形式になっていて自分の求めるものとは違う…。
以前にもこちらで「日本の料理番組は野暮ったい」といった内容のコラムを書きましたが、そこで紹介したMUNCHIESに続いて気になる海外の料理番組を発見。タイトルにもあるこちらの番組は'60年代終わりから'70年代初めにかけてカナダで放送されたものらしく、ホストの軽快な身のこなし、ジョーク、いい意味で雑な調理が観ていて爽快。日本でも吹き替えで放送されていたようですが、ジョークの内容をそのまま翻訳しても上手く伝わらないとのことで、「8時だョ!全員集合」のギャグ作家が一からジョークを作り直していたという逸話も。ワインを手に登場し、ウィットに富んだ話芸と料理の腕前を披露し、番組の終盤には観客をひとりステージに招き入れて作ったディッシュを一緒に食べたりとやりたい放題。
ちなみにこの番組の原題は「ギャロッピング・グルメ」。響きも最高で、軽快なリズムで進むこの番組の雰囲気には完璧なネーミング。ただいまDVDのボックスセットを購入するべきか真剣に検討中。日本で放送された吹き替え版をいくつか貼り付けましたのでヒマな人はお楽しみください。
--MK