
Indyといえば力強いアイアンクロスロゴ…というのはもはや過去の話。ご存知の通り、現在このロゴは使用されていません。2020年頃に使用が中止されて以来、トラックのベースプレートからもアパレルからも姿を消しています。
Indyのアイアンクロスは、ブランドの核となる「スケート、独立、自由」を象徴するロゴとしてスケートコミュニティに浸透しました。また、'70年代の南カリフォルニアのサーフィンやモーターサイクルカルチャーにおいても広く親しまれたデザインだったそうです。ただその一方で、ナチスの記章にも使われていた歴史があり、そのビジュアルが「白人至上主義のシンボルに似ている」として批判を受けることもありました。
ロゴをデザインしたジム・フィリップスは、たしかにオリジナルのアイアンクロスからインスピレーションを受けたと認めています。しかし、それを独自にアレンジし、最終的にはローマ教皇の写真を参考にしてロゴを完成させたとのこと。特定の政治的イデオロギーやヘイトグループを象徴する意図はまったくなく、さらなる論争を避けるためにロゴの変更が決定されました。
当時、この決定については賛否が分かれました。キャンセルカルチャーの負の遺産だと主張する声もあれば、すべての人にリスペクトを示すという意味でスケートコミュニティが一歩前進したと捉える人もいました。
これがざっとアイアンクロスロゴが姿を消した背景。こうしてIndyのアイアンクロスはスケート史の一部となり、現在のロゴへとバトンタッチ。あのロゴが刻んだ歴史と象徴するスピリッツは、今なお多くのスケーターの記憶に刻まれていることは言うまでもありません。
—MK