先日のGo Skateboarding Dayである6月21日、例年のように世界各地で多くのスケーターが公道に集ってパレードのごとくプッシュをしたようです。中にはただスケートボードの日を祝福するだけでなく、BlackLivesMatter(黒人の命も大切)をはじめ、RollingForJustice(正義のためにプッシュ)やRollingForRights(権利のためにプッシュ)といったハッシュタグとともに、人種差別にプロテストするというもうひとつのテーマを掲げたものも。スケートコミュニティにおいても人種差別に対する意識がこれまで以上に高まっています。
そんな中、先週からインスタのフィードで「Juneteenth(ジューンティーンス)」というワードを度々目にするようになりました。これは6月19日を意味する「June」と「Nineteenth」というふたつの単語を組み合わせた造語で、1865年6月19日にテキサスで宣言された奴隷解放を記念する日のこと。奴隷として虐げられた歴史を持つアフリカ系アメリカ人にとっては独立記念日のような存在です。
奴隷としての黒人の売買が禁止され、彼らに労働の対価が支払われるようになったのが1865年ということですが、ご存知の通りいまだ人種差別はなくなっていません。本来、当たり前であるはずの人種平等が奴隷解放の宣言から155年も経った2020年に社会運動となっています。そしてそれを機にようやくジューンティーンスに注目が集まり、今年からアメリカのさまざまな企業が6月19日に有給休暇を社員に与えるようになっているようです。ジョージ・フロイドが殺害された今回の人種差別事件がきっかけとなり、ジューンティーンスが黒人コミュニティの枠を超えて広く浸透し始めようとしています。この日がアメリカの連邦祝日になるのもそう遠くないかもしれません。
黒人が初めてアフリカから強制的にアメリカに連れて来られたのが1619年。つまりアメリカでは黒人に対する人種差別が400年以上も続いているということ。彼らの立場になって考えるとマジでゾッとします。今さらながらですが、スケートボード発祥の国で起きている人種差別について、みんなで一緒に考えてみませんか?
--MK