ここ最近ずっと気になっていた映画を観てきました。映画館に足を運んだのも数年ぶり。ケイト・ブランシェット主演の『Tar』。
アメリカの5大オーケストラで指揮者を務め、女性として初めて名門ベルリンフィルハーモニーの首席指揮者となったリディア・ターという人物の話。作曲家としてはエミー賞、グラミー賞、アカデミー賞、トニー賞を受賞。クラシック音楽の世界では敵なしの無双状態ですが、その栄光に影が差し始める。パワハラ、同性愛、キャンセルカルチャーなど、現代社会で重要なトピックが取り入れられたサイコスリラーといった内容。
ストーリー、映像、衣装など、どれも非の打ち所がないのですが、驚くべきはケイト・ブランシェット。10分強という長尺シーンや指揮のシーンの気迫溢れる演技だけでなく、実際に音楽の勉強をしてピアノを演奏したりドイツ語を習得するなど、役作りも流石。英国アカデミー賞BAFTAで主演女優賞に輝いています。
本作は2時間39分という大作。しかも丁寧な説明をすることなくストーリーが進んでいくため理解できなかった箇所も。なので、改めて映像美を楽しみながら、劇中に散りばめられた伏線を拾いにもう一度劇場で観たいと思います。この作品、オススメです。
--MK