ある週末の夜、家にやってきた営業マン。ドア越しに返事をすると「お住いのネットの環境がうんたら…」というもの。ほとんどの場合この手の営業に関しては「すみません、興味ないです」で終わらせるのですが、僕の知らぬ間に住んでいるアパートのネット工事も完了し、環境が変わりますとのことで「これは話聞かな!」と思いドアを開けることに。ドアを開け、挨拶もそこそこに玄関に転がったデッキを見て「僕もスケボーやってたんですよ〜」と営業のお兄さん。とまぁそこまではありがちな話。結局難しすぎて挫折に終わったそうだが話を聞いてビックリ。「●●さんて知ってます? 今有名らしいですけど〜」。ここでは名前を伏せますがその人、多くの方がご存知であろう有名スケーター。最近上京したというその営業マンが中学の頃よく面倒を見てもらい、ひと回りも上だが本当のアニキのように慕っていたそう。肝心のネットの話も進めつつ半分ぐらいはそのスケーターの話で盛り上がりました。
人づてに聞くそんな話や噂なんてのはいいものもあれば悪いものも同じぐらい流れてきます。「火のないところに煙は立たぬ」とはよく言ったもので、悪い噂ってのはほぼほぼ事実であるというのが僕がこれまで生きてきた中での実感。良からぬ噂のあれこれが表面化し仲間内からキックアウト、そしていつの間にかスケート界からフェードアウト…といった例をこれまでどれだけ聞いたことだろう。先日ゲイであることをカミングアウトしたブライアン・アンダーソン。彼がゲイだという噂は前々からあったものの、それを公にしたことで逆に多くの賛同・支持を得たというのは稀な例じゃないでしょうか。性的嗜好をとやかく言うつもりはありませんが、自分の日頃の行いには注意を払い、ヘンな噂の火種を作ってしまうようなことは避けたいものですな。
日頃の行い…「最近あんまり良くないな、言動も悪いことばかりだなぁ」なんて自覚がある人もいることでしょう。それはきっと誰にでもあることで、何かひとつでもいいことをして中和させれば済む話。スポットに誰かが置き忘れたゴミを捨てて帰るだけでもいいと思うんです。以前海外で目撃したのが、パークでのBBQパーティが終わった後に散乱したゴミをひとり黙々と片付けるアンディ・ロイの姿。破天荒なイメージのスケーターですが、そんな一面も持ち合わせているのがきっと人気の要因でもあるのでしょう。有名で人気のあるスケーターになりたいといういつかの野望は活きがイイ若手にお任せするとして、僕は一日一善できるよう心掛けられたらと。ヘンな噂じゃなくいい風の噂が流れることを期待してw
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)