Interview by VHSMAG, Photos courtesy of Stance, Special thanks: Stance Japan
VHSMAG(以下V): ニューメキシコ州アルバカーキー出身ですが、スケートとの出会いは?
ダニエル・ルセラン(以下L): そう。魅惑の地、アルバカーキー出身。スケートとの出会いは2000年頃で、兄貴たちの仲間の影響だった。X Games、スノーボード、ポゴスティック…オレらはずっとエクストリームなものに影響されていたんだ(笑)。
V: アルバカーキーの魅力は?
L: 土地柄。ずっと前に両親が移り住んで、山の麓まで広がる美しい住環境を築いてくれたんだ。他の場所とは比べられないほどの美しさ。広大な土地で自然豊か。街も近くてチャンスがいっぱいある。この街の自然に育まれたと言っても過言ではない。
V: スケーターとして影響を受けたのは?
L: 地元のヒーローたち。兄貴やスケートショップのローカルのクリス・ヒックマンとクリス・カンバース。あとは学校の先輩。親友のレーンのクルー。カリフォルニアのスケートシーンがあることを知るまではずっと地元のシーンに影響を受けていた。
V: スケーターとしての転換期は?
L: The Beach Zoneというローカルショップに受け入れられたことが大きかったと思う。その頃からスケートが生活の中心になってスキルも上達し始めたんだ。そのスケートショップの人たちがスケーターとしての考え方を育ててくれた。コンテストにエントリーしたり、パートを撮ったり、スケート誌をチェックしたり。すべてこの時期に始まって、スケートの世界に傾倒していったんだ。
それは素晴らしいことだと思う
V: アートを始めたきっかけは?
L: 子供の頃に父親の影響で。想像をもとに自分で家を建ててしまうほどなんでも器用にできる人なんだ。そのようにクリエイティブな親を見て育てば潜在的に影響されるし、アートを勧めてくれたのも父親だった。
V: 自身のアートのスタイルを表現するとすれば?
L: 散在的かな。特定のスタイルどころか媒体もない。言うならば、クリエイティブであることに熱心だけど、まだアーティストとしての立ち位置を確立できていない、という感じかな。
V: 創作活動をするスケーターが多いですが、その理由は何だと思いますか?
L: それはスケートとクリエイティビティが密接に関係しているからだと思う。スケーターやミュージシャンに聞けば同じ答えが返ってくると思うけど、みんなスケートや音楽と同じくらいアートをやっていると言うはずだ。スケートをしていると、そのライフスタイルを通してさまざまな影響を受けるし、クリエイティブなコミュニティに囲まれることによって触発される。自分のプロダクトのデザインであれ、スケート以外の時間に創作することであれ、スケートとアートは繋がっている。それは素晴らしいことだと思う。
V: Stanceに関わり始めたのは?
L: Stanceが立ち上がったときにライアン・キングマンにオファーをもらったんだ。「エクストリームなアスリートの世界のソックスブランドの一員にならないか」って。即答でオファーを受けた。最初から彼らが築こうとしているチームやコンセプトがいろんな意味でユニークだと伝わってきた。振り返ると、Stanceの一員に迎え入れられて本当に光栄に思う。
V: Stanceの魅力は?
L: アーティストやサポーターのための巨大なプラットフォームがあること。デザインやアイデアを世に届けてくれるだけでなく、ビデオや雑誌のプロジェクトもサポートしてくれる。いろんな形のクリエイティビティをサポートしてくれるからつねに刺激をもらっている。
V: 最近リリースされたコラボソックスについて。アートワークはどのように形になったのですか?
L: ちょっと前にコラボソックスがリリースされたんだけど、構想は1年以上。プロセスはシンプルで、オレの人生の特定の期間がテーマになっている。カラーはパステル調でスムースだけど地味ではない。デザインのコンセプトは人生のバランス。何も持たない状態には陥りたくないけど、持ちすぎるのも良くない。その間がちょうどいい。人生におけるバランスと幸福を表現しているんだ。
V: ナマケモノのモチーフについて。ナマケモノを選んだ理由は?
L: あれはオレが伝えたいシンプルなアイデア。日々の生活のペースを落とし、自分に合ったスピードやバランスで生きるということ。すべてはポジティブなフィーリング、そして人生が楽しいと思えるようになることが目標。ゆっくりと、安定して、幸せに、意識高く生きるということ。
V: ハングルースサインについては?
L: ハングルースはオレのタトゥーから持ってきたんだ。これも人生をすっきりと楽しく生きようということ。あまり自分や人生を真剣に捉えすぎないのがいい。
V: 今回のコラボソックスと他のブランドのソックスとの違いは?
L: ファッショナブルと同時に機能的。StanceのPro Skate Collectionだからアーチとヒールのサポートがしっかりしている。足や足首にしっくりとくるし、繊細な部分にはパディングが施されている。毎日のスケートにふさわしいソックスなんだ。
V: Stanceのソックスの中で一番のお気に入りは?
L: 今のところ、リリースされたばかりのバスキアのコレクションがお気に入りかな。Rihannaのラインもつねに素晴らしいね。
V: StanceのソックスのBestコーディネートは?
L: 特定のコーディネートはない。それぞれのスタイルに合わせればいいと思う。かなり控えめなものから狂ったようなものまで幅広いから自分に合ったものを選んでほしい。
V: ファッションのこだわりについて教えてください。
L: ファッションはすっきりと自由な感じがいい。自分らしさを大切にしている。スケートでもそれ以外でも、好きなことから受ける影響を取捨選択する。ファッションそのものがベースになっている人間は、得てしてつまらないカテゴリーに収まりがちだからね。
V: スケート以外で最近ハマっていることは?
L: 最近は版画や刺しゅうにハマっている。ツアー先でも自宅でも、スケート以外の時間にやるのにもってこいなんだよ。心が癒やされるし丁寧に仕上がった作品を見るとうれしくなる。
V: スケートに対する美意識について。映像や写真を撮る際に気をつけることは?
L: スタイルとクリエイティビティ。自分だけのスタイルを持つことがすべて。ビデオや写真はアート作品と同じだ。スケートを通してアイデアや考え方を形にしているんだ。スケートのスタイルを見れば、そのスケーターがどんな人間かある程度わかるものだから。
V: Stanceで実現させたいプロジェクトは?
L: そうだね、コラボソックスの第2弾に取り組みたい。すでにアイデアはあるんだ。その次はアンダーウェアのデザインもしたいね。オレにとって新しく貴重な経験になるはずだ。あとはStanceとともにクリエイティビティを広めながら引き続き旅を続けたい。
V: 今後の活動予定を教えてください。
L: Toy Machine Bloodsucking Skateboard Coの新作フルレングスビデオが控えている。2019年初めにリリースされる予定。だから今はその撮影に専念している。その間にはビデオと紐づいたThrasherやTransworldのインタビューもある。だからスケート三昧な毎日を過ごしてるよ。
ニューメキシコ州アルバカーキー出身。スケートコミュニティで一番のナイスガイとして知られ、Toy MachineやStanceのメンバーとして活動。代表作はToy Machine『Brainwash』やVans『Propeller』など。
www.stance.com