先日、“Remembering Phil Shao“と題したミニビデオが公開されました。これは1998年に他界したフィル・シャオというスケーターの追悼ビデオ。活躍したのが20年前ということで、彼を知らないというスケーターも少なくないかもしれません。ましてや、まだ生まれていなかったというティーンも多いことでしょう。
’98年の8月。ヒザの怪我による1年間の療養期間を終えてから初めてのツアー。仲間たちと西海岸のスケートパークを次々とヒットしようという試み。そんな1年振りのツアーを楽しんでいたところ、フィルは8月22日の23時頃に滞在先のローカルスケーター宅を離れ、知り合いの女性とともにドライブに出かけたのをきっかけに帰らぬ人に。というのも、その女性が飲酒運転により車ごと崖から転落。場所はオレゴンとカリフォルニアの州堺。運転手の女性はかすり傷、フィルは23日の早朝3時半頃に息を引き取りました。
ジェイク・フェルプスによると、フィルはクリスチャン・ホソイとマーク・ゴンザレスを合わせたようなスケーター。ホソイの優雅で流れるようなトランジションスキル、そしてゴンズのクリエイティブなストリートスキルを持ち合わせた稀有な存在。’90年代はトランジションかテクニカルなストリートのどちらかに偏ったスケーターが多かった時代。そんな中、フィルはオールテラインに対応するスケーターの走りとして注目を集めていました。フォートマイリーのトップバーでのグラインドは歴史に残る偉業とされています。
奇しくもフィルが他界したのは、同じくSFを拠点に活動するスケートコミュニティのキーマン、Thrasherの創設者ファウスト・ヴィテロの息子で現発行人トニー・ヴィテロ、そしてトニー・トゥルヒーヨの誕生日。飲酒運転の代償は計り知れません。酒を飲んだらハンドルを握らないように。それを肝に銘じ、Think『Dedication』のフィルのパートを今一度。
–MK