先日の自民党総裁選で安倍晋三が勝利を果たし、連続3選となるのでこれが最後の1期となります。安倍晋三首相の在職通算日数は現時点ですでに戦後3位、歴代では5位の長さなのだそう。政界はつねにゴタゴタ、激動の渦中にあるように見えますが、順調に行けば来年11月には通算2886日の記録を破り歴代1位の長期政権になります。増税に憲法改正、外交問題など解決すべき問題は山積み、そしてアンチの意見もよく聞かれるのですが、政党のカラーも考慮した上で自分は安倍首相を支持し歴代最長在職日数を塗り替える瞬間を目の当たりにしたいと思う次第であります。
そんな政治的話題の飛び交う先日、とあるネットニュースで面白い記事に出くわしました。政治評論家の手によるその記事によると「プロの政治家を名乗るのであれば著書のひとつやふたつは出版しているはずだ」と。要するに自分の意見や政策を形として意思表示していないとダメだということ。なるほど、これはスケートにも通ずるところがあります。政治家の著書に相当するものが、スケーターにとってのフルパートになるのではないでしょうか? ちなみにその評論家は同じ記事内で著書を出していない政治家を名指しでディス。「選挙の時の美辞麗句を並べたマニフェストだけでは信用ならない。著書で意見を述べてみよ」と。これ、実は頭の痛いスケーターも少なからずいるんじゃないでしょうか? そう、自身の著書…いやフルパートをリリースしていないスケーターのことです。プロ・アマやレベルの如何に問わず「自分はこんなスケートしてます!」って公に意思表示できる手段は現状ではフルパート制作がベスト。パートを制作し公開することにより、不特定多数へ自分の活動を発信することができます。そしてそれはスポンサーに対しての責任とも言えますね。そんな活動無しでは「仲良しクラブ」と揶揄されても仕方ないかと。事実、「●●はプロみたいに言われるけどこれまでフルパートのひとつも出してないじゃん?」 なんて話はしばしば聞こえてまして…。
ほんの10年前には想像もつかなかった話ですが、今やiPhone片手に仲間と撮影、それでパートも作れちゃういい時代。結婚し子供を持ち、育児の傍らパート撮影もこなすというタフな大人たちの背中もたくましい。自分の実力を出し切って作るパート制作は決してラクな作業とは言えませんが、日々タラタラと滑っているだけのスケート人生と比べると雲泥の差だと思ってます。かつて一緒にパートを作ってきた仲間と過去の映像をつまみに飲んでいる時ほど美味い酒はありません。「年齢が…」、「スキルが…」、「時間が…」なんてネガティブを少しずつ打破してでもパートを作ってみる価値はあります。それにほら、思想や意見の対立で文句や揚げ足を取る政治の世界とは違い、スケートはパートを出したら歓迎されるピースな世界なんですから。
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)