酔っ払ってファミリーマート前の縁石で足を強打し、ポーザー度を競い合う2分の決勝ランの最中にスケートパークのハンドレールで睾丸を潰し、また新たなシューレースブランドのスポンサー・ミー・ビデオの撮影中に走行中のバスからヘリコプタースピンをトライして膝の腱をぶった切る。まさにルーザー。目に涙をためながら、愚痴を聞いてほしいってか? 残念ながらオレの同情を買うことはできない。なぜならオマエたちスケーターは精神に異常をきたしているからだ。オマエたちが抱えるトラウマは、自ら招いたものなのだ。オマエたちは異常だ。専門家に診てもらうがよい。
ここでオマエたちに朗報だ。実はオレも現在負傷中で、スケートができない期間に重宝するアドバイスをオマエたちに与えることができる。すでにオマエたちがスケートボードという悪魔に魂を売り、後戻りなど到底不可能なことは知っている。怪我が完治した瞬間、オマエたちはさらなる痛みを求めるのだろう。しかし怪我が完治するまで、自由に使える時間が想像以上にあるのだ。だからその時間をいかに過ごすか。黙ってオレの言うことを聞け。以下は怪我中にしてはいけないこと、そしてすべきことを紹介する。
してはいけないこと:
すべきこと:
まず外に出ろ。今すぐに出かけるんだ。さもなくば、SNS、スケートビデオ、ポルノといったものにハマってしまい、時間が無駄に過ぎてしまう。ああいったモノはオマエたちの集中力、想像力、モチベーションを低下させてしまうのだ。だからよく聞け、猿ども。オマエたちはもう13歳のガキじゃないんだ(ただしオマエが実際に13歳なら楽しむがよい)。だから今すぐに股間から手を離して外に出るんだ。日光が脳内にエンドルフィンやドーパミンを分泌させ、オマエたちの哀れな痛みを忘れさせてドープな気分にしてくれる。また適度な運動とオルガズムも脳内に同じ作用をもたらせてくれるので、チョメチョメをするのもいいかもしれない。
いつになれば怪我が完治してスケートができるのか、とヤキモキして精神に異常をきたしたくなければ、スケートシーン以外の人たちと過ごしてみよう。そうすると新たなことが見えてくる。彼らはオマエたちが知らない人について話したり、オマエたちが到底理解できない話題で盛り上がることだろう。これは何を意味するのか? オマエたちがバカということだ。オマエたちはファンタジーな世界に生きている。目を覚ませ。昼下がりに永遠とビッグスピンノーコンプライをトライし続けている間、世間は意義のある活動をしているのだ。世間との遅れを取り戻すためにも、まずは読書をオススメする(ただしオマエたちが文字を読むことができればの話だが)。まずは新聞がいいが、まあ、何でもいい。大切なのは、読み物が社会、歴史、言語、ビジネスなど、現実世界で役立つ知識やスキルを与えてくれるということだ。ハウツー本もいいだろう。マルチ商法、ピッキング、ヘビ捕り、タダで旅をする方法、大自然でのサバイバル術、家具作り、催眠術、女の操り方…何でもよい。バカども、よく聞け。知識は力なり!
また新しい趣味や興味をひく何かを見つけることも大切だ。何でもいいから、スキルを磨け。スケート以外に得意なことがオマエたちにあるか? 怪我をしている今となっては、スケートすらできないではないか。もしオマエたちの答えが「えーと…」もしくは「ない」ならば、それは間違いだ、バカ野郎。何かしろ。スキルを身につけることがすべてだ。LAでプール付きの一軒家を購入し、家族を養って40手前でリタイヤできるほどスケートで稼げない限り、スケートスキルだけでは不十分なのだ。オマエたちの360フリップの安定度やメイク率を世間の何人が褒めてくれると思う? どれだけオマエが高くキックフリップをメイクできるか、そんなことを世間が気にしていると思うか? 答えはNoだ。誰も興味なんてない。だから老いていく前に何かを学べ。人生は一度きりだ。無駄にするな。
オレはここ2時間、上記の“してはいけないこと”に掲載したオタクの写真をフォトショップで加工して過ごした。完成した写真はゴミみたいな出来だが、少なくともこの写真で笑うことができたし、フォトショップのやり方を覚えることができた。今後は履歴書の特技欄に“フォトショップ”と書くことに決めている。オマエたちはここ2時間の間、何をして過ごした? 何もしていないだろう? この役立たずめ。オレのオフィスから出て行きやがれ。
さあ、わめき散らすがよい。以上。