Special columns written by skaters
スケート識者たちが執筆するスペシャルコラム
HIROKI MURAOKA

現在もっとも乗れている日本人スケーターのひとり。スケートのスキルに加え、ペインターとしても非凡な才能を持つ。

第17回:一本?

 今回は、VHSMAGの“一本”というコーナーに出させてもらったときの話をしたいと思う。
 すでに見てくれた人はわかると思うが、バンクからレールに50-50をしてカーブカットでシフティー(わかりづらいけど)、そしてノーリー180ヒールをしてトレフリップをするというライン。もし見ていない方がいれば、是非ともチェックしていただきたい。
 実はこのとき、“一本”のために撮影をしていたわけではなく、現在制作中のcolor communicationsの『created in japan 1.5』のために撮影をしていたのです。
 カラコミの映像ディレクターのヨウジさんこと水沢陽二と、GRAVISのチームメイトの金子次郎の3人で一緒に動いていた日曜日だった。この日はお目当てのスポットに行くもすぐにキックアウトされ、スポットを探していつもは行かない足立区の方へ車で移動していた。なかなかスポットも見つからず、時間ばかりが過ぎていき僕は内心少し焦っていた。せっかく車を出してもらったのに何も撮れていない…。もうちょっとすれば日も暮れてしまう。そんな中、遠くの方に良さそうなレールが見えた。今考えると、どこにでもあるバンクからのフラットバーなんだけど、この時はスポット発見! となったのだ。
 とりあえず車からデッキを取り出しトライしてみたものの、着地部分の路面に凸凹がありなかなか厄介な物件だ。しかしここから引き下がることもできず、続けてトライ。フラットでやるトリックは今までビデオで出していないトリックをしようということになり、ノーリー180ヒールを選択した。3回ほどメイクしたがなかなか気に入ったものが撮れず、もう一度トライしやっと納得のいくものが撮れた。ヨウジさんと映像をチェックしていると、撮影中にどこかに消えていた金子次郎が片手に大きな袋を抱えて戻ってきて「撮れましたか?」とニヤニヤしながら寄ってくる。どうやらパンツを買ってきたらしい(笑)。
 その後ヨウジさんと話し合い、このフッテージは『created in japan 1.5』のパートに入れるのではなく、VHSMAGの企画“一本”に送ってみようということになった。そして、こちらのラインをVHSMAGからOKを貰い、晴れて“一本”のコーナーにて採用してもらえることとなりました。
 近日展開予定のcolor communicationsの『created in japan 1.5』を観てもらえれば、何故このラインをパートに入れなかったのかがわかるかもしれない。一本!!!

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