Special columns written by skaters
スケート識者たちが執筆するスペシャルコラム
KENJI TANAKA

酒盛りとセメント盛りがDNA配列に組み込まれたSK8スカム。
酩酊状態がシラフよりも長い、西●敏行ちょい似のお茶目さん。
必殺技のクレイルスライドは、最近お腹が邪魔して切れ味悪め。

第6回:クレイジーフィルマーたち

 先日VHSMAGでも紹介されたVoxのフィルマー、ジョージー・ツシマのパートに衝撃を受けたスケーターが世界中にたくさんいるかと思いますが、実はこれ氷山の一角かもしれません。なぜ氷山の一角かといいますと、他にもこういう話を聞いたり、見たりしたことがあるからです。スケボーをほどほど長くやっている人は、彼らの映像や写真を観たり実際に一緒にスケボーしたことがある人もいるかもしれません。
 例えばちょっと前にフルレングスのDVDを発売したBlood Wizardのオープニングパートを飾る、クリス・グレッグソン。長髪にぶった切りのGジャンという絵に描いたようなメタル野郎の風貌。そしてサンディエゴのWashingtonストリートの巨大コンクリートやどこぞやのプール、ディッチをシバキあげるその姿からはフィルマーであったことを一切覗い知ることができませんが、あるインタビューで彼は自身がフィルマーであった過去を語っていました。ビデオカメラを盗まれてしまい、それからフィルミングができなくなりスケボーする方に専念していたらあんなパートが出来上がってしまったらしいです。

 Blood Wizard繋がりで話を続けますと、古株のマイク・マンズーリさんも忘れてはいけません。Sole Tech (Etnies、Emerica)のフィルマーとして生計を立てていますが、もともとはAdrenalinのプロスケーターでもあり、411などにも頻繁に登場していました。昔からのお仲間のジョン・マイナーさんもよくThrasherなどのビデオに登場していました。VHSMAGやSIDERなどでもお馴染みのフォトグラファー、アンソニー・アコスタさんのMag Minuteでのパートに度胆を抜かされたスケーターも大勢いるでしょう。

 古い話になりますと、10数年くらい前だったでしょうか。フィルマー、フォトグラファーたちのパートで構成された作品『Chomp on This』で大活躍したDLXのフォトグラファーのゲイブ・モフォードさん、アティバ&アコ・ジェファーソンの双子コンビ。

 上記したフィルマー、フォトグラファーのどちらにも当てはまらずに普通に会社で営業やらシッピングの仕事をするスケーターたちにも鬼の達人はたくさんいます。自分が日頃仕事で関わっているアメリカの会社にはどこでも必ず凄腕のスケーターがいます。 

 このスケボーサイト、VHSMAGを動かすアメリカン氏、KE氏もそうです。彼らはスケボーを転がすのが上手いだけでなく、物事も転がします。今年はアメリカと日本の凄腕スケーターたちを一同に集めて、面白いものをで見せてくれましたね。あれは面白かった。

 さて、このコラムで何が言いたいのかと申しますと、「ただ単にいいなー」と思うだけ。それだけ。何でいいのかって? だってフィルマーもフォトグラファーも、編集長も会社のヤツも、さらに話を拡げれば、業界と何の関係もなくただ単に好きでやってるそこら辺のオッサンとか、たまにオバサンもいたりとかして、そんなヤツらがそこらじゅうにいたらどのセッションも盛り上がって楽しいだろうな、と。撮影もしかり。ヤバいヤツらに撮られれば、やるほうも気合いが入るでしょう。

 これから寒さがより厳しくなりますが、今の時点で寒いと言っていたら2月にはもう冬眠です。積雪などの物理的な問題でできない時は仕方ありま せんが、そうでないなら外で遊びましょう。寒いなら服着ればいいと思います。家でつまんねーテレビなんぞ観てないで、外で仲間と遊んでください。家では酒飲んで風呂入ってセックスして寝ちゃえば、光熱費もグっと抑えられると思います。話が逸れてきたのでもうこのくらいにします。
 セッションバスターたちにやられないように、気を付けてよい年越しを。

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