ホッケーのプレミアリーグの選手契約ではなく、スケートシーンの裏方として活動することを選んだ男の物語。
先日、Light Boxにて公開されたショートフィルムに心を打たれました。なんでも現在41歳のジョン・マグヌッソンさんは、いわゆるアイスホッケーの花形選手のひとりでした。ウィンタースポーツの盛んなスウェーデンでは、日本で言うところのプロ野球選手のような位置づけにあるかと思います。そんな彼が、31歳のときに大きな決断を下します。それは、プレミアリーグとの契約のオファーを蹴って、仕事としてスケートパークの建設プロジェクトに携わること。
ジョンさん曰く「チームスポーツの一員としてコーチの言う通りに動くのではなく、自分の頭で考えて動きたい」。続けて「ホッケーよりもスケートボードを練習している時間の方が長かっただけど、スケートボードの場合それは練習ではなく遊んでいるって感覚なんだ」と。
誤解のないように補足させてもらいますが、ホッケーを含めチームスポーツも素晴しいことに疑う余地もありません。チームワークなくして勝利は掴めませんし、個人的なスキルも要求されます。さらに付け加えさせていただくと、ホッケーのプレミアリーグの契約金がどれぐらいなのか検討もつきませんが、このエピソードがThrasherをはじめ世界の主要メディアで取り上げられているだけに、これがかなりの出来事だったことは想像に難くありません。
現在はスウェーデンのマルメに拠点を移し、スケートコミュニティに貢献しながら、自身のスケートライフを謳歌しているジョンさんですが、特筆すべきは彼の滑りが超絶かっこいいということ。人間的にも滑り的にも気になる男、いや、漢と呼ばせていただきたい。
そんなジョンさんのプレミアリーグでのプロオファーを一蹴することになった決め手は、皮肉にもジョンさんとの契約を熱望したコーチからの一言だったそうです。
「ジョン、そろそろ決断のときが来たぞ。いい加減大人になって、スケートボードなんかで遊ぶのはやめろ」。
–KE