KERRY GETZ

kerry-getz
ケリー・ゲッツがDVSのチームマネージャーに就任したというニュースが発表されたのが今年3月のこと。自身の初シグネチャーモデルの復刻を来年に控えるケリーに、DVSのヴィジョンと近況について聞いた。

[JAPANESE / ENGLISH]

Interview by VHSMAG, Photo courtesy of Fusion Inc

VHSMAG(以下V): ケガや家族の事情で長い間スケートができなかったと聞きましたが、現在の状況はどうですか?

ケリー・ゲッツ(以下G): 頭がおかしくなりそうなくらい忙しいよ。3年前にヒザの手術をしたんだけど、同じ年に事情があって妻の兄弟の子供3人の面倒も見ていた。そして、2年後には彼らを養子として迎え入れたんだ。養子を育てている間にオレらの子供もふたり生まれてね。たった3年の間に5人の子どもの父親になった。さらに、ずっとひどい腰痛に悩まされていて調子も悪かったから、スケートする時間がなかなか取れなかった。でも、月に何回かは滑るようにしてまだ楽しんでいるよ。昔みたいに真剣に考えないようにしている。今は子供の頃みたいに楽しんで滑っているよ。

V: どのような経緯でDVSのチームマネージャーになったのですか?

G: オレの初シグネチャーシューズの復刻についてDVSと話し合っていたときに、ポール・シャイアがチームマネージャーのポストから離れることになったんだ。そこでチームマネージャーが必要ってことで、オレに連絡がきたんだ。2017年にリリースされるオレの復刻モデルが待ち遠しいね。

V: DVSのチームマネージャーを担当する今、Nocturnalはどのように運営しているのでしょうか?

G: もう直接運営はしていない。素晴らしいパートナー2名とスタッフ4名に運営を任せている。今のショップの現状には満足しているよ。今までスタッフに恵まれなくて何年か厳しい状況が続いていたからね。ようやく軌道に乗って調子も上がってきた感じだね。

V: DVSのプロチームのリストにも名前が入っていますが、チームマネージャーと兼任しているのですか?

G: まず、最初にDVSサイドに伝えたのは、昔のようにスケートすることができないってこと。もう41歳だし、5人の子供を育てなきゃならない。ケガも完璧に回復していないし、毎日滑る時間も取れないからね。でもソーシャルメディアを使って現在のオレの生活や、まだスケートを楽しんでいる姿をファンに見せられるようにちょっとしたプランを立てている。みんな年を取るし、生活のスタイルも変わるからね。それもすべて人生ってこと。

V: チームに所属するブランドのチームマネージャーを務めるのはどのような感じですか?

G: チームマネージャーのポジションに就くなんて想像もしていなかった。数年前にはスケートから離れようって考えていたくらいだからね。でも、オレにはシグネチャーシューズを復刻するという使命が残っていた。DVSのチームマネージャーになってみると、これがやりたいことだと気づいて今はどんどんいい方向に向かっている。

V: プロライダーとしてブランドに所属したことは現在のチームマネージャーの仕事にどのように役立っていますか?

G: プロとして活動していた頃はチームマネージャーがしっかりとサポートしてくれたから、そのとおりに実践すればいいだけのことだった。当時の経験があるから、考え方を切り替えるだけで済んだ。ライダー全員をしっかりと見守って、DVSをどうやったらよりいいブランドにできるかをハッキリと言葉に出して一緒に話し合っている。

V: DVSのチームライダーに求めるものを教えてください。

G: 仕事に対するモラルをわきまえて、スポンサーをしっかりとプロモーションできるヤツ。あとはトリックセレクション、そして一番重要なのはやっぱりスケートスタイル。オレが好きなのは、何でも滑れて毎日サイボーグのように滑り倒すタイプのスケーター。

V: 現在はどこを拠点にしていますか? フィラデルフィア? カリフォルニア?

G: ニュージャージー。フィラデルフィアから車で15分ほどの場所に住んでる。

V: チームマネージャーとしての毎日はどのような感じですか?

G: 基本的にはパソコンとiPhoneで仕事をしている。契約の段取りを組んだり、新しくチームに加入にしたヤツらに電話して必要なアイテムがきちんと揃っているか確認したり。オレの一番重要な仕事はライダーたちにDVSがホームだと感じてもらうこと。他のカンパニーに移りたくないって思ってもらえればうれしい。これはオレがプロとしてチームに所属した10年の間にDVSに対して感じていたことだから。オレもライダーに同じように接したい。

V: チームマネージャーとしてDVSに関わり始めてから何か変化はありましたか?

G: 昔と比べてチームが変わったよね。個人的に変わったことは昔のように大きなギャップやレールを毎日滑らなくてよくなったこと。マジで危ないときがあるからね(笑)。

V: 他のシューズブランドとは違うDVSのプロダクトやチームの魅力を教えてください。

G: DVSはつねに最高のスケートシューズブランドだよ。デザインもいいし、クリーンなスケートシューズだ。何よりボードフィールが最高。チームはビッグカンパニーのブランドみたいに大きくないけど、個性的な精鋭揃いだよ。DVSならライダー全員に目が届く。ビッグカンパニーみたいにフロウが300人いて、ライダーが200人とかじゃないからね、あれじゃちゃんとケアできないよ。

V: DVSで形にしたいプロジェクトはありますか?

G: 最近はDVSにとって大きなニュースが多かった。ウォーカー・ライアンもチームに加入したし、Berricsでもクールな企画が控えている。United NationsでDVSのチームがフィーチャーされるんだ。だからお楽しみに。Berricsをチェックしてくれ。


 

V: DVSとのプロジェクトで最も印象に残っているものは?

G: 2000年にリリースした最初のシグネチャーシューズと『Skate More』だね。それに世界中を回ったプレミアツアーも一生の思い出だよ。

V: プロスケーター、スケートショップオーナーとして、これまでにスケートインダストリーで起きたさまざまな変化を見てきたわけですが、今日のスケートインダストリーについてどう思いますか?

G: 昔の物事の進み方が恋しいよ、とだけ言っておこうかな。最近はすべてが狂っている。

V: 大手のシューズブランドと張り合わなければならない現状についてどう思いますか?

G: 張り合おうとは考えてないよ。まず無理な勝負だからね。それよりもDVSが変わっていないということを多くの人に知ってもらいたい。そしてDVSみたいなブランドが、ビッグカンパニーのブランドよりいかにスケートボードにとって大切かに気づいてもらうことが大切だと思う。

V: 現在所属しているスケートカンパニー、Terror of Planet Xについて聞かせてください。どのようにして加入したのですか?

G: 仲間のブランドだね。ヤツのグラフィックとブランドに対する情熱がハンパない。そういうところに感銘を受けたんだ。ボードブランドを始めるのは簡単なことじゃない。さらに他のブランドより目立つのはもっと難しい。でもTerrorはそれができていると思うし、大きな可能性を感じたんだ。だから、Terrorの一員になりたいって言ったんだ。それで今に至るって感じかな。

V: 今後の活動を聞かせてください。

G: オレのシグネチャーシューズの復刻と新しいチームでのプロモーションも始まる。ここからDVSはすべて良い方向に向かって行く。シーンに戻ってくることができてうれしいよ。

 

kerrygetzケリー・ゲッツ www.dvsshoes.com

HabitatやDVSのプロとして2000年代にテクニカルかつビッグトリックで注目を集める。現在は現役を退き、DVSのチームマネージャーに。代表作はHabitat『Mosaic』やDVS『Skate More』など。

kerrygetzケリー・ゲッツ
www.dvsshoes.com

HabitatやDVSのプロとして2000年代にテクニカルかつビッグトリックで注目を集める。現在は現役を退き、DVSのチームマネージャーに。代表作はHabitat『Mosaic』やDVS『Skate More』など。

RECOMMEND -スタッフおすすめ-

  • SLS制覇を記念して振り返る、女王君臨までの足跡

  • SLS 3連覇。最終戦は逃すも歴史的快挙に変わりなし

  • 世界で初めて披露したあのフリップトリックの舞台裏

  • 有名ロックスターも逮捕された伝説のスケートメッカ

  • 2000年代初頭発表、ドメススケートビデオの隠れ名作

  • 多国籍ビートをバックに繰り広げるストリートスケート

VOICE OF FREEDOM

Hear the voice of key person in Skateboarding
スケート業界のキーパーソンの生の声を聞く
  • STANCE
  • STANCE