Interview by VHSMAG, Photo courtesy of Marcel Veldman, Special thanks: Element Japan
VHSMAG(以下V): 地元マサチューセッツ州でスケートを始めたきっかけと当時のシーンについて聞かせて。
ブランドン・ウエストゲート(以下W): 友達のデッキを貸してもらって遊び始めたのがきっかけ。そして誕生日にデッキを買ってもらった。小さな田舎町だったから……スケートを始めた頃の方がシーンは盛り上がっていたような気がする。学校の生徒ほとんどがスケートをしていたからね。いい感じのスケートクルーがあって小さなスケートパークもあったから、みんなでずっとスケートをしていた。でもそのスケートパークが閉鎖しちゃって……。
V: 一般的にどこもスケートシーンは昔に比べて大きくなっている印象があったけど……。
W: そうだね、同じマサチューセッツ州でもボストンのシーンは大きい。でもオレの地元はもっと小さい町なんだ。ボストンはいい感じだね。
V: 当時、影響を受けたスケーターは?
W: いつもアンソニー・シェットラーとスケートしていたから、ヤツからかなり影響を受けた。あとはアーロン・サスキ、ゼレッド・バセット、ニック・ドンピエール。基本的にイーストコーストの連中だね。
V: そして現在はElement所属。
W: もうElementに移籍して2年になる。来年の3月でちょうど2年。
V: Elementに移籍したきっかけは?
W: ドニー・バーリーとは昔からの知り合いなんだけど、ヤツからElementのチームとツアーがいかに最高かを聞かされて説得された感じだね。キャンプやアウトドアといったElementのイメージが好きだったということもある。アマチュアコンテストのMake It Countもやっている。Elementはスケートコミュニティやスケーターのために動いている。だからブランドに馴染みやすかったしチームも本当に最高だ。チームに加入して良かったと思っている。今は日本で撮影をしているんだけど、いいエディットができると思うよ。
V: Elementに移籍して変わったことは?
W: 特にないね。主にツアーが多くなったから、それはいいことだね。移籍するまではほとんどツアーに出ていない状態だったから……そうだね、変化はそれくらいかな。
V: 移籍してまだ2年しか経っていないけど、印象的だったElementのプロジェクトは?
W: スペインのビルバオとバルセロナから戻ってきたばかりなんだけど、Elementチームがほぼ全員集合したんだ。1ヵ月半の滞在中にいろんなElementライダーが入れ替わりでやってきた。本当に最高のツアーだった。ずっとストリートスケートを楽しんでいた。スポットも極上のものばかりだからみんな楽しそうだった。Make It Countの各国の勝者たちと一緒にスケートすることができたんだ。みんなヤバかったよ。かなり大きなクルーで動いたんだけど最高だったね。
V: いいね。日本からもそのツアーに参加したスケーターがいたし。では自身のシグネチャーコレクションについて聞かせて。
W: ベーシックなアイテムなんだけど、高品質なものを作りたかったんだ。オレはベーシックなアイテムが好きだから。パンツの素材もワークウェアのようなものなんだけど、通常のものよりも分厚くて丈夫、しかもフレックス素材を起用している。ジャケットもいい感じだ。全体的にかなり気に入っている。基本的にElementは高品質なアパレルを作るから最高のプロジェクトになったと思う。
V: シグネチャーコレクションのテーマでもある“No struggle, no progress(※苦労なくして成長はない)”に込められたメッセージは? 苦労というのは2年ほど前の背骨の骨折のことを指しているの?
W: いや、単純にその言葉の響きが好きなんだ。人生のいろんなことに当てはまる言葉だからね。たしかに背骨の骨折にも当てはまるけど、それが当初の意図ではなかった。共感できるフレーズだから使ったんだ。
V: では地元のカーバーという町について。一度もカリフォルニアに住もうとせずに地元を拠点にしているけど、その理由は?
W: 一番の理由は家族がいるからだね。家族と一緒にいるのが好きなんだ。昔からウエストコーストよりもイーストコーストの気候の方が好きだった。四季があるからね。カリフォルニアはスケーターやいろんなもので溢れ返りすぎている。オレは自分の好きなようにやりたいんだ。人里離れた邪魔されない場所にいたいんだ。カーバーは郊外の町だから、自然が多くて静かなんだ。オレは静かな場所が好きなんだよ。
V: さっき、地元のスケートシーンは昔と比べて小さくなったと言っていたよね。
W: そうなんだ。小さな町だからね。昔は学校のみんながスケートをしていたけど、今はそんな感じじゃないみたいなんだ。でも、ボストンには最高のシーンがある。橋の下にいい感じの巨大なコンクリートパークもオープンしたし。
V: ということは、地元からボストンまで車で行ってスケートをしているの?
W: そう、片道40分ほどのドライブだね。
V: 家族所有のクランベリー農場でも働いているよね? シグネチャーコレクションのプロモビデオで友達が「ブランドンはプロスケーターとクランベリー農家を兼任している」と言っていたけど、どうやってバランスを取っているの?
W: うちはクランベリー産業の中ではかなり小さな農場なんだ。ツアーに出ているときは父親が助けてくれるからスケートに専念することができている。クランベリー農業は楽しい趣味といった感じ。大きな農場じゃないから時間を取られることもない。できるときにやるといった感じかな。3月末、4月から育て始めて10月に収穫するんだ。そして冬になれば何もすることがないからスケートに集中できる。
V: なるほど。今回、日本に来たのはビデオプロジェクトのためとのことだけど、その内容は?
W: ElementとヨーロッパのメディアであるFluffとのコラボプロジェクトなんだ。パッチワークが施されたスウェットシャツやジャケットがリリースされる予定で、プロモーション用に日本で写真や映像を残している。フィル・ズァイスンとナシム・グアマズと一緒に最高のスポットでスケートを楽しんでいる。フッテージの撮影はフィルの担当。エディットは2月半ば頃に公開予定だからお楽しみに。
マサチューセッツ州出身。ElementやEmericaのプロライダーとして活動する超人的なスケートスキルの持ち主。2014年に背骨を骨折するという重傷を負いながらも見事復活を果たし、精力的に活動中。
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