TRANSWORLD SKATEBORDINGのUS版に我ら日本が誇るスケーター、COLORCODEのマイメンGOU MIYAGIが丸1ページ掲載されました。
俺も過去にUS版に小さな写真が載った事はありますが、日本人が丸1ページで掲載されるというのは恐らく過去に数人いるか、下手すると日本人初かもというくらい珍しい事です。
という事でとにかく快挙です!!
日本のスケートシーンしか知らない人はあまりピンときていないかもしれませんが、実は日本のスケートシーンは世界の最前線を基準にするとまだまだ隔たりがあるのが現状。
要は同じTRANSWORLDに掲載されるといっても、日本版に掲載されるのとは評価基準はゼロが一桁以上違う。
日本国内に数万人いるであろうスケーターの中でも国内のスケート関連メディアに露出できるのは恐らく1%にすら満たない中で、更に数十、数百万人いるであろう世界標準になるとそれらの人を集めた中の更に1%にも満たないハードルの高い世界なのでは無いでしょうか。
あえて悪く言えば、今までの日本のスケーターは世界的に特に見向きもされていなかったといっても言い過ぎではないかもしれません。
こんな事言うと日本の現場で頑張っているスケーターや紙面づくりに携わっている人を否定している様に誤解する人がいるかもしれませんが、俺自身も日本のスケート業界に長く身を置き、沢山の人と繋がりがある中、まさかそんな事は思っていません。
ですが、ただ、事実を認めたくないが為にオブラートに包み、スタイルだなんだ言って努力に伴うスキルアップを図らず誤魔化した滑りがまかり通るようでは、これからの日本も何時まで経っても相変わらず世界に通用する訳もありません。
また、そんな先輩を見て育った将来のある若いスケーター達がそんな誤魔化しが世界標準だと誤解するようなシーンはそろそろ終わりにしても良いのではと悪意の無い本音を語ったまでです。
スタイルやオリジナリティというのは、殆どの場合がそのスキルありきで説得力になるのです。
で、そんな当たり前の事は世界標準では当たり前で、だから実際世界でジャパニーズオリジナルとか言った所で通用しないし、世界にはまだまだスタイルやオリジナルを自称して売りにしているスケーターは沢山いますが、結局は自称に過ぎないと言うことです。
単にオリジナルだから、独創的だからという安易な理由で公の場で露出するほど世界の壁は低くありません。
最近ではリッチー・ジャクソンがベリックスでまたもや独創的なアイディアで話題になりましたが、見て分かる様に最低限度のトリックスキルありきであの様なスタイルをチョイスしているからこそ説得力になり、世界に認められるのです。
実際、豪の滑りを見れば分かりますが、あの独創性があってもレールのスキルがなければあの様な事は出来ません。
勿論、逆にレールのスキルがあっても、あの独創性がなければ世界中に何千、何万人と吐き捨てるほどいる単にレールの上手い名も無いハンドレーラーの一人でしかありません。
勿論、エンジョイでスケートしている人に努力を強制するつもりはありません。
また己を客観的に知り、今の日本の現状で満足しているのも悪い事ではないと思います。
が、もし世界に向けてジャパニーズオリジナルとか大きな事を言うなら、井の中の蛙になってしまっては格好良くはありません。
そこで、もし世界を目指しているならハッキリと言います。
君のそのスキルの伴わないオリジナリティ、テライン、スタイルだけでは、世界標準では認めてくれません。
君のそのビッグステア、ビッグレールは世界標準だとスケールが小さいです。
君のそのオーリーの限界値での高さで世界標準では板を自由に扱います。
君のそのコピー商品の様な縁石技、回し技、マニュアル技が出来る人は、世界標準では何千人もいます。
勿論、それを凌駕するようなスキルがあれば、コピーであろうがスタイルやオリジナリティがなかろうがこれらの限りではないし、逆にそれは最も正当で望ましい事だと言われるのかもしれません。
ですが理想と現実は違います。
沢山ある要素の中の一例だと、先祖からの食生活も含んだDNAレベルでの体質、体格、といった自身の努力では埋められない状況やパーク設備等の物理的な環境の違いがある中で同じだけの努力をしても結果は違います。
階級分けが存在しなかった時代の最も軽い階級のボクサーが意地と根性だけでヘビー級のチャンピオンと同じ練習量の限界点まで練習して挑戦した所で非合理にすぎません。
(勝敗が目的でなく挑戦することであればその人のスタイルで自由だとは思いますが)
結論、何を言いたいかというとアメリカに追従するのでは無く、日本人に合った自分達の階級や土俵を作ればいいのです。
そしてそこに世界のスケーターが興味を持つようにすればいい。
実際、資源に乏しい日本人は知恵を使いテクノロジーを発展させ世界に誇る国になりました。
要はそれこそが本当のジャパニースオリジナルです。
スキルアップを図る努力を怠り誤魔化しの滑りをジャパニーズオリジナルと呼ぶ事とは根底的に違います。
まさにそれをGOU MIYAGIは身を持って先頭をきって示しました。
ですが、ここで誤解されて困るのは、何も豪やリッチー・ジャクソンの様なオリジナリティや独創性だけが日本人の目差すべきオリジナリティだと言っている訳ではありません。
勿論、デニス・ブセニッツの様な正統派を日本人が目指してもいいと思います。
ですが、ボクサーの例のように、まずはちゃんと己を知り、もしデニスを目指しても無理してやっとギリギリ追いつく事が限界値で超える事は不可能だと気がつ くのであれば、日本人の特質の一つであろう知恵を使い、そのデニスの良い要素は取り入れつつも+α自分だけにしかないオリジナリティを模索、融合してこそ 真のデニス超を目指せるのではないでしょうか?
なので未だに「ドラボンはちょっと別枠だし~!!」とか言っている本質に気がつけない人は、恐らく何時まで経っても狭い日本のシーンから飛び出る事はできないのではないでしょうか。
更に言うなら、デニスほどの人なら、逆にGOU MIYAGIからの良い影響すら自分のものとして要素に取り込むかもしれません。
俺の勝手な見解ですが、デニスを目指しているデニスに最も近いデニスになれない中途半端な世界のCOPY OF DENNIS BUSENITZ BEST 100の100人よりも、世界の評価はGOU MIYAGIへの方が高いのではないでしょうか?
とにかく、今回のGOU MIYAGIの快挙をキッカケに日本人スケーターがもう少し世界標準の意識へ近づけたら良いなと思います。
CHOPPER
追記:そういや goumiyagi でインスタグラム始めた様です、是非チェック!!
*whev からの転載です。