Takahiro Morita
Takahiro Morita
森田貴宏
1975年生まれ 東京中野に拠点を置くスケートボード映像プロダクション「FESN (far east skate network)」を主宰。'95年からFESNとして数々のビデオ作品を発表し、その独創的なプロダクションスタイルから国内だけでなく世界中のフォロワーを持つ。'70年代後期アメリカ西海岸でサーフィンの流れをスケートボードにいち早く取り入れた伝説のチーム「ZEPHYR」を継承するボードメイカー「Z SKATES」の日本支部「TOKYO Z BOYS」のメンバーとしてキャリアスタート。'90年代はストリートを中心に日本各地で行われるコンペティション、デモンストレーションに参加しながら自身のビデオ制作を中心に活動。現在は自身のスケートをさらに進化させるべく、乗るボード自体をデザイン、制作する本格的なスピードクルーザーショップ「FESN laboratory」を経営する傍ら自身のクルーザースケーティングを広めるべく各地でデモンストレーション活動を行っている。
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暇つぶし

先日、ここで最近自分は人様に読んでもらう為の文章を人知れずコソコソ書いているということを伝えた。
その文章とは俺の想いであり、俺の言葉。

では何で書くんだろう?
俺は偉そうにも何かを人様に伝えたいのか?
俺は偉そうにも皆に何かメッセージを飛ばしたいのか?
俺はそんなに偉くもなければ、大したヤツじゃない。
では一体何なんだろう?

俺はその答えを知ってる。
それは「暇つぶし」である。
それは俺の「暇つぶし」ではなく、俺が何かを書くことや作ることによって、俺以外の誰かの「暇つぶし」になれれば嬉しいからである。

暇は素晴らしい。
暇がある人はさらに素晴らしい。
そして自分からその暇を潰せる手段を知っている人はとても豊かだ。
だから俺にとってのスケボーはそれの究極。
気が付けば30年以上俺はスケボーで友達を作って、その沢山の友達たちと一緒に暇をつぶして来た。

だけど

スケボーがなければ俺は死んでしまうか?
俺の好きな音楽や、アート、映画、本、YouTube、その他多くの各人の趣味趣向の矛先がなくても人は死にゃしない。

基本的に「衣食住」が、人が生活していく上で最低限必要なものとされる。
だが本当はそれだけではダメなんだな。
そこに「遊び」という名の「暇つぶし」がなければ。

どんなに忙しい人がいたとしても、必ず暇はある。
1日に必ず10秒くらいは少なくともあるだろうな。
ないと思う人は、たぶん一生、暇を暇として気付けないだけだ。

『僕は世間から必要とされているから、とても忙しいんです』
『僕は人気者だから、とても忙しいんです』

「忙しい」がステイタスという大人世界の価値観を俺はブッ壊したい。
「忙しい」は時として人と人の距離を遠ざけ、互いに理解し調和しようとする気持ちを失わせる危険性がある。
それを証拠に「忙しい」の「忙」という字は「心」を「亡くす」と書く。
人と人の間では簡単に使って欲しくない言葉であって欲しいと俺は思うんだ。

暇は人を和ませる。
そうだ、俺は暇万歳だ。

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