Special columns written by skaters
スケート識者たちが執筆するスペシャルコラム
DAISUKE MIYAJIMA

M×M×Mの敏腕スタッフにして自称映像作家のジマこと宮島大介。
伝家の宝刀Fs 180フリップをなくした今、どこへ向かっていけば
いいのか迷走中。本能の閃きをたよりに書き綴る出口なしコラム。

第20回:スケートボードvs年齢

 僕には50歳になっても縦コーンをオーリーで飛ぶ! という目標があります。現在36歳の僕からすると40歳まであと4年、4年後に縦コーンを飛べなくなるって気は全然しまへん。こないだ一緒に滑った40歳の先輩は7段くらいのステアを平気で飛んでいましたし、他の40歳の先輩なんかは縦コーン3つくらい重ねても飛んじゃうし、朝までビール飲んでても次の日平気で仕事してるし、僕よりタフガイです。そうです、40歳でできるというのは結構実証されているので、何となく自分でも見えているのです。しかし50歳となるとかなり未知の世界で想像もつきません。

 以前ここのコラムで書いたことがあるんですが、老後を想像するのって結構楽しかったりします。イメージは具体的にすればするほど実現できるなんてよく言いますが、14年後の50歳の時点での自分の身体の状態をイメージするのはなかなか難しいです。たとえば老眼とか始まって縦コーンとの距離感が分からなくなるかもしれません。逆に目が悪くて縦コーンが実際よりも低く見えた! なんてことになったらこれはラッキーかも。低いものを飛ぶ気持ちで挑めるワケですから精神的には楽でしょう。縦コーンを飛んだけど着地に耐えられなくてベシャっとつぶれてしまうとか、まったく飛べなくてコーンを破壊、そして自分も崩壊……うげぇ、老体にスラムはかなり痺れそうです。

 日本という枠を越えて世界で現在も活躍しているスケーターを見てみると、50歳くらいの人は何人かいます。こないだNike SBのビデオでランス・マウンテンのパートがありましたが、情報によるとおそらく彼は現在52歳。パートの中ではピクニックテーブルをキックフリップで飛んでいました。バンクを使ってはいたものの驚愕です。きっと40代や30代後半のスケーターの誰もが「ドキッ!!」っとしたと思います。同じ52歳だとスティーブ・キャバレロもそう(多分)。縦コーンほどの高さを飛べるかは謎ですが、ボードスライドを10mくらい流せといえば普通にできそうです。トミー・ゲレロやロドニー・ミューレンもそのちょっと下でたぶん今年で50歳とかだと思います。(ボーンズブリゲード恐るべし)このふたりは結構な高さを飛べそうですね。トミー・ゲレロなんかはちょっと前に出ていたREALの広告でめちゃくちゃかっこいいオーリーしてました。

skateboard-vs-age

 前に友達が、「縦コーンオーリー、360フリップ、バックテール、この3つがちゃんとできる人は上手い人だ」と言っていましたが、確かにそうかもしれません。もちろんそれができなくても上手い人はたくさんいるのですが、そこを標準装備している人はなんとなくストリートスケートが上手いというボーダーラインを超えているように思います。現在の僕にとって50歳まであと14年ありますが、14年もすると世の中は相当変わるでしょう。自動車が勝手に運転してくれたり、人工知能が発達したり、コンビニの店員は全部ロボットになっているかもしれません。しかしスケボーしてて得られる充実感が他の何よりも圧倒的にでかいということは自分にとってはたぶん変わらないでしょう。

 この先いろいろあっていいことも嫌なこともあるだろうけど、50歳になってもその3つのトリックをこなせていたら僕の人生もなかなか悪くはないと思います。その中でもやはり縦コーン! 逆にこれができていれば他の技もそんなに難しくはないように思います。なのでであえてそれを目標にしたいと思います! と思ってこないだ飛んでみたら36歳の現時点でかなりギリギリで結構焦りました。ってか世の中が変わりすぎて14年後縦コーンなかったら人生ピンチかも(笑)。

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