Special columns written by skaters
スケート識者たちが執筆するスペシャルコラム
KENJI TANAKA

酒盛りとセメント盛りがDNA配列に組み込まれたSK8スカム。
酩酊状態がシラフよりも長い、西●敏行ちょい似のお茶目さん。
必殺技のクレイルスライドは、最近お腹が邪魔して切れ味悪め。

第4回:新世界

 最近の茨城県の週末は天気がいいことも多いので、スケーターが動きまくってます。日曜はつくばのストリートに行ったら、会ったことのないスケーター3人と遭遇。つくばの某公園の前を通りかかったら東京から某有名スケーター3人、夕方になるとまた別のグループで東京、徳島から数人のドヘッシュ野郎どもが数名来ていました。自分は会社には行きませんでしたが、ここの駐車場でも地元のスケーター数名がセッションしていたようです。毎週ではありませんが、つくばが一時的にスケートタウンと化しました。これなら人と連れ立って出かけなくても、どこかへ行けば誰かがいて、そこでセッションできます。ひとりでふらっと出かけても誰か一緒に滑る人間がいるのは非常に心強いことです。夜になると昼間タイミングが合わずセッションできなかった友達と酒盛り。完璧な日曜でした。

 みなさんの街も大量のスケートスポットが生まれて、そこらじゅうにスケーターがいる、そんなスケートタウン・シティを夢見て、千里の道への第一歩となるスポットを大小問わず作ってみてはいかがでしょうか? 何もパークを作ることだけがスポットを増やすことではないと思います。今までワックスが効いていなかったストリートのレッジに塗りこんで滑る状態にすることも立派なスポット制作だと思います。コンクリートの壁の下にバンクを盛り付ける。コンパネを敷く。溝を埋める。方法は何でもいいと思います。とにかく自分と仲間がスケボーできる場所を増やす。スポットが増えればスケーターも増える、そう信じております。卵が先か鶏が先か、という議論にも似ているかもしれませんが、スポットがあればスケーターは来ます。またスケーターが増えればスポットも増えます(ワックス塗りたくったり、新たに発見したり)。

 スケーターが増えれば、アホが増えて、もっと面白い世の中になると思います。自分はテレビなどは基本観ません。AK●69とかにも一切興味ありません。もっとイカれた、映画や音楽、文化や歴史、そいうものに興味を持ったのもスケボーを通してでした。普通の会社で働く友人から話を聞くと、大抵会社の同僚の話はテレビ、パチンコ、キャバクラ、ゴルフ。これらの議題は自分にとって退屈以外の何者でもありません。でも彼らの会社の同僚にスケーターがいたらどうでしょうか? 会社でスケボーの話が出来るかもしれません。仕事帰りに上司のクソ話に付き合って、マズい酒を飲まされるのではなく、飲もうが飲むまいが選択自由なスケーターとのセッションに時間を費やせるかもしれません。上司がスケーターだったら自分が怪我をして、仮に数日働けなくなっても大目に見てくれるでしょう。まあこれはスケーターだけでなくサーファーのみなさんでも、スノーボーダーのみなさんでも当てはまる話だと思います。生産性、創造性のない受動的な偽娯楽、テレビなんてもんからとっとと抜け出して、生身の人間と楽しくセッションして暮らしていただきたいと思います。

おもしろき こともなき世を おもしろく by 高杉晋作(多分)

 最近LIBEのTEEシャツで見かけて思い出した言葉です。高杉晋作が現代に生きていたらいいスケーターになっていたかもしれませんね。

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