Special columns written by skaters
スケート識者たちが執筆するスペシャルコラム
KENJI TANAKA

酒盛りとセメント盛りがDNA配列に組み込まれたSK8スカム。
酩酊状態がシラフよりも長い、西●敏行ちょい似のお茶目さん。
必殺技のクレイルスライドは、最近お腹が邪魔して切れ味悪め。

第5回:Human Nature

 先日仕事でアメリカに行ってきました。
 LA、オーシャンサイド、サンディエゴの3ヵ所に数日ずつ滞在し、各地で仕事をしたりスケボーしたり、たまたまバーベキューに参加したり、酒を飲んだり、飲まれたり。ほぼ毎日気絶して寝てました。気が付いたら床に倒れていることも何度か。
 さて今回は、西海岸滞在中に会った多くのスケーターの中でも、一際衝撃が強かったおじさんのお話です。彼は取引先の会社の人間でも、プロスケーターでもありません。彼の名前は明かせませんが、通称BAREFOOT ○○○、つまり裸足の○○○。
 そうです、靴を履いていません。スケボーするときももちろん履いていません。このおじさん、ただスケボーに乗ってクルーズしているだけではありません。自宅の裏庭にある地獄のボウルをグラインド、エアーでバシバシシバキあげているのです。
 ニックネームが裸足の○○○になるくらいだから、もしかして日常生活も裸足なのかなー? と思っておじさんに聞きました。
 「最後に靴履いたのいつですか?」

 「2004年だ(キッパリ)」

 えーと、今年が2013年なので、えっ! 9年!

 アホすぎる…。だけどとても気持ち良さそうだ。それにしても9年も靴を履かずに生活していけるアメリカってどんだけアホな国なんでしょう。このアホの国アメリカは、むちゃくちゃアホだけれど同時にとてもクリエイティブ、そしてプロダクティブでもありました。だって裸足で暮らしている原始人の家にバックヤードボウルがあるんですよ? このボウルもただのボウルではなく、とても芸術性に溢れる素敵なボウルなのです。

 おじさんのボウルはかなりのシークレットスポットなので本人の名前も写真も載せられませんが、いつかみなさんもこの手の物件に遭遇し、持ち主のドアホアメリカンたちとセッションし、彼らの勢いと自由な創造性に触れ、ここ日本でも楽しいことが沢山生まれるといいな、と思います。

 こんなことを言うと語弊があるかもしれませんが、六●木とかでウロウロしてるだけの害人は嫌いです。でもリアルに狂って(いい方向でね)面白い物事を突き詰めているアメリカさんはとても大きな尊敬に値する人たちでした。

 今回アメリカ行きの機会を与えてくれた社長、Brixton、Bassturd、Freedumb Airlineに感謝。そして上記のブランドを取り扱い店のみなさま、お客さんたちにさらなる大感謝。
 ここでは書けないことも多々あるので、それはいつか訪れるであろう酒の席で。乾杯。

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