VHSMAG(以下V) これまでMagical Mosh Misfitsからデッキの展開を行ってきましたが、デッキカンパニーMxMxM Skateboardsとしてリリースすることになったきっかけは?
DAISUKE MIYAJIMA(以下M) 正直MxMxMって「よく分からない」ってイメージが少なからずあったと思うんです。洋服のブランドであり、スケートデッキも出していてライダーがいて、ってところまではまあ浸透しているかもしれませんが、チームとしてみると全員がMxMxMのデッキに乗っているわけではなかったり、洋服のサポートをしているライダーもいればデッキをサポートしているライダーもいて、でも表向きは全員同じチームでって…。もちろんその事情をよく知らない人も多いと思うし、逆によく知っている人だとますます「よく分からない」ってところにたどり着くと思います。僕らの中でもその状況に少なからず違和感があったので、心機一転、初心にかえってきちんとデッキブランドとしてMxMxM Skateboardsを新たにスタートすることにしました。
V デッキブランドとして展開することでこれまでとどう変わっていきますか?
M 自分たちのスケートに対する本気さがよりストレートに伝えられると思います。たくさんスポンサーがついているライダーにとっても自分が所属する「デッキカンパニー」ってやっぱメインだし、自分のアイデンティティでもあると思います。「なるほど、どこどこのライダーなのね」っていうのは大体デッキブランドの話であって、どんな人なのかっていうイメージのひとつにもなります。なのでチーム全員で同じ方向を向いていけるのもいいなと思いました。
SKATE FOR FUN=楽しむためにスケートをする!
V ブランドのコンセプトを教えてください。
M 「SKATE FOR FUN=楽しむためにスケートをする!」です。 スケートの撮影だったりデモをしたり大会に出たりって、必ずしも大好きなスケートだから全部楽しいということではなくて、自分なりにそれは戦いだったり無理しなきゃいけなかったり辛かったりします。もちろんそれを乗り超えたときに待っている快楽はすべてを帳消しにする力もあります。そういった葛藤の中でもしっかり楽しんでいきたいということです。「楽しい」の魅力は無限だと思います。あとラッキー(運気)も無限だとある人から聞いたことがあります。
V チームライダーに求めていることは?
M 「自分超え」です。スケートボードは誰かに言われてやるものでもないし、団体の競技でもないので誰にも強制されません。結局自分で自分を超えていかないとどうにもなりません。楽しいと思いながら気がついたら自分超えしていたっていうのが理想なので、そういう環境をつくってその瞬間を常に共有していけたらいいなと思っています。
V ブランド第1弾として砂川元気、重藤悠樹のプロモデルが発表されましたが、その経緯は?
M 実は冒頭で述べた洋服でサポートしていたライダーっていうのがこのふたりでした。このふたりをデッキブランドのライダーとしてサポートしようという話が持ち上がったとき、ふたりとももう長いこと洋服ブランドとしてサポートしていてよく知っていたし、スキル的にも間違いなしだったので第1弾のビッグニュースとしてプロモデルのリリースに至りました。
V ふたりともまったく違ったテイストのボードグラフィックですが、それぞれについて聞かせてください。
M スケートボーダーとして自分の1stプロモデルって当然一生モンの記念だと思います。なのでそれぞれに意見を聞いたり相談したりして「これぞ1stだ」っていうものにしたかったです。そこで元気といったら「タトゥー」のイメージが強いので、元気にタトゥーをずっと彫ってくれているUEさんっていう彫り師の方にデザインを依頼するって話がでて「そりゃ絶対いいじゃん!」って。元気の希望のグラフィックをUEさんに伝えればそのイメージがそのまま出るような気がしました。そしたらあんな素晴らしいデザインがあがってきました。シゲの場合は以前シンガポールツアーに行ったときに同行したフォトグラファーのWADAPPが朝早起きして、散歩しながらコソコソ猫の写真を撮りまくっていたことを発見したシゲが「実はオレも猫大好き!」ってところで波長が合い、話していたら実はWADAPPは猫を撮るっていうのがほぼ日課で、iPadに猫フォルダがある程でした。そこでそのシンガポールツアー中に撮ったお気に入りの猫の写真を今までのシゲの思い出や仲の良い人など膨大な小さな写真で構成したというグラフィックになっています。そのグラフィックを構成してくれたのもシゲの仲間であるツレンボイさんです。
V 日本のスケートシーンが発展していく上で、ドメスブランドの役割と責務についてはどう考えていますか?
M 世界中で知ってもらえる存在になるっていうのが一番発展につながるとは思いますが、そうなるためにはまず国内で本気でやってもっともっと認知してもらうことが必要です。認知してもらうためには動かなくてはいけない、発信し続けなければならない。そういった動きを身近で見てもらって、感じてもらって、若い子らが「自分もチームに加入したい!」とか「自分で新しいカンパニーやってみたい」とかそういったヴァイブスがどんどん広がれば、発展につながると思います。あとはもともと小さい世界だからドメスのブランド、スケートショップ、メディアみんなでもっともっとあげあっていけたらいいなと思います。
V デッキカンパニーにとって映像は特に重要なものですが、今後はどういった映像作品の展開を行っていくのですか?
M MxMxMでは昔からスケーター以外が見ても「今の技、何?」ってなったり、「ぷぷぷ」って笑えるような場面があったり楽しめたりっていう映像作りを少なからず意識して、興味を持ってもらえるようにと心がけています。スケートをしていない人はなかなか観る機会が少なかったスケートの映像ですが、今は誰でも観ることができるので、スケーターにしかわからないような本質の部分とスケーター以外にもわかるような面白さのバランスを保ちたいと思っています。カップラーメン食いながらキックフリップできるか? とかそういう実験企画ものみたいなのにも興味あります。
コラボの基準は「LOVE AND RESPECT」
V 今回のゴリラーマンをはじめ、サブカルテイストの強いさまざまなコラボを行っていますが、そのセレクトの基準と反響や苦労したことなどありましたら聞かせてください。
M コラボは社長「MORILLA」が率先して動いていることがほとんどなのですが、コラボをする際いちばん大事なのは「大好き」、「尊敬」だと思っています。なので基準は「LOVE AND RESPECT」、これのみです。コラボをするにあたって規制が厳しいところがあったり、何度も修正が入ったり、発表するまで何年もかかったりすることもありますが、コラボをやらせてもらえるからには、MxMxMらしいコラボ作品になるようつねにベストを尽くしコラボ相手にもやって良かったと思ってもらえるような作品づくりを心がけています。
V 毎回ほかのブランドとは違った展開でびっくりさせてくれますが、今後のMxMxM Skateboardsの動きやプロジェクトなどを聞かせてください。
M 大きなプロジェクトとしてやはり映像作品(フルレングスDVD)という目標がありますが、映像を撮ってつくれる人間が周りに多いし、今日撮った映像をウェブを通して多くの人に観てもらえるようなスピードの時代なので、コンスタントに映像を更新していくことも目標です。そしてイベントや大会なども自分たちで発信でできたらいいなと思っていますが、やるからには「MxMxMのイベントだからなんか楽しそうだな」という匂いを醸し出していきたいと思っています(笑)。後はMxMxMチームのみんなでもっともっとたくさんの場所にツアーに行きたいですね。
そして最後にお知らせです。先日、MxMxM Skateboardsのインスタを始めました。アカウントは@mxmxmskateboardsです。いろんな情報を発信しているのでよかったらフォローお願いします。