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TITLE

タイトル

 タイトルの“I like it here inside my mind, don't wake me this time”とは、“自分の心の中にいるのが心地いい。今回は起こさないでくれ”という意味。これは’91年にリリースされたPlanet Earth『Now 'n Later』のブライアン・ロッティのパートで使用されたHandy with Shovelsの“Nervous Nightmare”のリリックの引用。

 「“Nervous Nightmare”からタイトルを引用したのは、この曲が好きだからという意味もあるけど、現在のオレの心境を表した一節でもあるから。オレはオレだけの世界にいたい。だから起こさないでくれというオレの心境が込められている。オレはもう表舞台に出て行きたくないんだ。これまでに長いスケートキャリアを歩んできて、さまざまなことを成し遂げてきたから、今は自分のPolarという世界の中で生きたい。もう邪魔されたくない。トレードショーのためにLAに行ったり、賞を受賞したりすることにはもう興味はない。自分の世界の中でスケーターが喜ぶものを創り続けたいだけだ。もうオレを起こさないでくれ。もう注目なんて必要ない。ただ創作に専念したい。人生は短いんだから、死んで手遅れになる前に目標を達成する努力をするしかないんだ」

SOUNDTRACK

サウンドトラック

 本作にはポンタスがこれまでに影響を受けてきたスケートビデオで使用された楽曲を敢えて採用。まずはPowell Peraltaの作品群のオープニングで使用されてきたリッパーの不気味な笑い声で幕が上がる。さらにはH-Streetの『Hokus Pokus』からCryの“Alone”、マーク“Gator”ロゴウスキーの伝記映画『Stoked: The Rise and Fall of Gator』からJohn Hogan & Mark Rogowskiの“Dudesblood”、Powell Peralta『Future Primitive』からJohnny Rad & The Jordanairesの“Skate and Destroy”、そしてPlanet Earth『Now ‘n Later』のブライアン・ロッティのパートからHandy with Shovelsの“Nervous Nightmare”。

 「今回のビデオでは、まだオレがガキだった’87年から今日まで、スケートについて学んできたすべて、つまり幼少期から現在までの経験をすべて組み合わせてオレのスケート観を表現したつもりだ。今の若いスケーターにはピンと来ないかもしれないけど、これらの曲はすべて’80年代や’90年代、オレがガキの頃に影響を受けたスケートビデオへのリスペクトを表現するという意味で敢えて使用した。’80年代や’90年代を知っているスケーターは、ガキの頃に何度も繰り返して観たスケートビデオがあるはずだし、そこに収録されていたもので頭にこびりついて一生忘れられない曲があるはずだ。それから20年以上も経った今、そのような曲は新たな世代が次々と出てきたことで忘れ去られようとしている。今の若いスケーターが昔のビデオで使われている曲を知らないのは当然だ。今では誰も『Hokus Pokus』を繰り返して観たりしないからね。でも、誰かの記憶とスケートカルチャーの遺産、そして現代のスケーティングと過去の素晴らしい曲を組み合わせるという試みを行うことで、クラシックなスケートビデオのヴァイブスを生み出すことができると思う」

H-Street『Hokus Pokus』より、Cryの“Alone”が使用されたパート。

John Hogan & Mark Rogowskiの“Dudesblood”。

Powell Peralta『Future Primitive』より、Johnny Rad & The Jordanairesの“Skate and Destroy”。

Planet Earth『Now ‘n Later』のブライアン・ロッティのパート。リリックがタイトルに起用されたHandy with Shovelsの“Nervous Nightmare”は本パートの3曲目。

STRUCTURE

構成

 本作が今日のスケートビデオ制作のスタンダードとなっているパート区切りの構成になっていないのは、“仲間とセッションする感覚を伝える”というコンセプトが理由。これは、Converseのプロモビデオ“Trocadero Days”や“Manhattan Days”の制作時に取り入れた手法。

 「オレが影響を受けた昔のスケートビデオは、仲間同士で楽しむセッションをクリエイティブに記録したものが多かった。Powell Peraltaの作品群を制作したステイシー・ペラルタはその手法の天才だ。『Propaganda』に収録されたルーベン・ドミンゲス、トレント・ゲインス、ポール・デ・ジーザスのパートはまさに最高のセッションを記録したものだと思う。ちなみに、このパートで使用された曲は、The Blobysが登場するパリのセクションで使用した。昔のスケートビデオのように、仲間同士でセッションする感覚を伝えたかった。時代は繰り返す。古いとされた手法が再び採用されて新たな形に進化していく。本作では、ライダーが本編の至るところに散りばめられている。こうすることで、お気に入りのスケーターのパートだけを観るのではなく、全編を1本の作品として楽しんでチームの絆を感じることができる」

パリを舞台に制作された“Trocadero Days”。

NYを舞台に制作された“Manhattan Days”。

『Propaganda』から、ルーベン・ドミンゲス、トレント・ゲインス、ポール・デ・ジーザスのパート。

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