時代や流行りは繰り返すとよく言います。先日公開されたDCの“Street Sweeper”やアメリカで今秋公開予定の映画『Mid90s』にも見られる通り、どうやら最近では’90年代のカムバックが目立っているようです。
一言で’90年代と言っても10年という長い幅があるため、この時代のスケートシーンは初め、半ば、終わりとざっくり3つのピリオドに分けることができます。その中でも個人的に思い入れがあるのが、’90年代初めと半ば。さらに限定すると、スティーブ・ロッコが指揮を執っていた頃のWorld Industries系ブランドの数々。
つまり、主にWorld Industries、Blind、101、Plan B、Menace。なぜこれらのブランドに特別な思いがあるかと言えば、既成概念にとらわれないボードグラフィックやその打ち出し方……とかいう堅い話ではなく、純粋にチーム構成が完璧だったから。ゴンズ、ディルやジーノがいたり、ジョバンテやシャイロといったファッショニスタもいればマリアーノ、キャロルやサンチェスといった実力派もいる。
そんなチームのスケーティングが収録された作品(VHS方式のビデオカセット)は現代のように手軽にチェックできなかったため、彼らの存在がさらに自分の中で神格化されたということもあるでしょうが、とにかく素晴らしいスケーターがWorld Industries系ブランドに在籍していました。さらに言えば、彼らによって当時のトレンドが牽引されていたのです。
スケートビデオで言えば『Love Child』、『Questionable』、『New World Order』、『Tim & Henry’s Pack of Lies』、『Virtual Reality』、『Video Days』、『20 Shot Sequence』、『Trilogy』……主に’91年から’96年が自分にとっての黄金期。その時代の映像をいろいろとディグっていたところ、懐かしいフッテージ集を発見。当時を知る人は青春時代を懐かしみ、まだ生まれていなかったという人は歴史を振り返るという意味でも是非チェックしてください。
–MK