先日、GirlからBeastie Boysとのカプセルコレクションがリリースされたばかり。今回のコラボは592ページにおよぶBeastie Boysの回想録の刊行を記念したもので、Girlの共同オーナーのスパイク・ジョーンズがPVを手掛けた“Sabotage”と“Sure Shot”をフィーチャーしたもの。
GirlとBeastie Boysの繋がりはスパイク・ジョーンズとの友好関係が大きいわけですが、忘れてならないのはマイク・キャロルの存在。ただし、スパイクのように直接的な繋がりがあったわけではなく、大問題に発展してもおかしくない形でBeastie Boysとニアミスしていたのです。というのも、Girl設立前の’92年にリリースされたPlan Bの名作『Questionable』のパートで、キャロルは3曲もBeastie Boysの楽曲を使用しています。3曲とも『Check Your Head』に収録されているのですが、ここからが問題。実はキャロルは同アルバムが正式にリリースされる前にSlapからサンプルを入手し、悪気なく無断で3曲を使用してしまったとか。『Check Your Head』は『Questionable』に2週間遅れてリリース。スケートビデオで新曲が流出するなんて前代未聞の大事件…。
幸運にもBeastie BoysのMCAがスケーターだったことで『Questionable』が衝撃作であることを理解し、リスペクトしたことでトラブルを回避できたとか。その証拠に、キャロルのパートで無断使用された“Time For Livin’”のPVでは『Questionable』のフッテージが多数挿入されています。もちろんこのPVを手掛けたのもスパイク・ジョーンズ。さらには今回のコラボでフィーチャーされた“Sabotage”のPVはGirlのデビュー作『Goldfish』のスキットのインスピレーションとなり、“Sure Shot”のPVではMCAがGirlのTeeを着用。GirlとBeastie Boysがモメることなく良好な関係をキープしてきたことがわかります。
と、このような繋がりを持つGirlとBeastie Boysのカプセルコレクションは実にメイクセンスするコラボレーション。両者のコネクションが色濃く見られるPVをご覧ください。キャロルの楽曲無断使用事件があったことを知った後に観る“Time For Livin’”のPVは一味違います。
–MK