マイ☆ボス マイ☆ヒーロー

 「楽しそうでいいね〜!」というのが、10代の頃スケートボードに夢中になっている自分に向けての周りの反応。20代半ばを越えたあたりから「ま、まだやってるんだ…」って感じに変わり、30代半ばを越えるとスケートボードの話題に触れられることすらなくなりました。いわゆる一般的な仕事に就いている非スケーターの友人や知り合いから。
 少年期、青年期を経て晴れて中年スケートライフを謳歌しているんだけど、スケートボードへの偏愛度指数は減るどころか増々高くなっている。これが自分ひとりだと「オレやっぱり少し変なのかな」なんて勘ぐり始めそうだけど、同世代(’90年代の残党)のスケート仲間のモチベーションもあからさまに高い。この妙なヴァイブスの高さの要因はいったいなんなんだ? なんてたまに考えることがあるんだけど、おそらく「残された時間が少ない」というのがその理由のひとつ。スケートボードへの接し方や楽しみ方は千差万別なので一括りにできないけれど、「あとどれぐらいテールを叩いて縁石削ったりデッキ回したりできるんだろうか…」なんて不安が脳裏をよぎることはあります。一回り年配の先輩スケーターたちはトランジションやボウルなどをエンジョイしているし、頻度は少なくなっても元気にスケートボードを楽しんでおられます。ただ、’90年代にティーンとして過ごした現在アラフォー世代のスケーターは、いわゆるストリートスケートが主流になった第一世代のスケーターだと思うので、このスタイルをいつまで継続できるのかの前例がない。おそらくミニランプを嗜んだり低いマニュアル台で遊んだりというのはだいぶ先までやれる気はするけど、膝上の縁石にトリックかけて流してどうこうのってのは、いつまでやれるのかなと。加齢とともにフィジカル面が衰えていくのは自然の摂理というか当然のことなので甘んじて受け入れているし、今後もスケートボードの付き合い方を柔軟に変えて楽しめばいいだけのこと。そんなことは十分理解した上での話なんだけど、やっぱりオーリーできない自分を想像するのはけっこうキツい…。おそらく昨今のモチベーションの高さは老いへの恐怖への裏返し、“灯滅せんとして光を増す”ステージに立たされている自分への戒めなのかもしれない。
 「ウンチク垂れてないでスケートしろボケ、カス、F&%K YOU!!」って声が聞こえてきそうなので、ドロンします。

─KE

 

昔も今も変わらずスケート上手くてカッコいい最強のボス☆スケーター。
年齢だなんだってのはただの言い訳。毎日磨くスニーカーとスキル。

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