スケーター的夏の醍醐味はなんといってもツアー。飛行機に乗って海外遠征、フェリーで離島へ、ロングドライブで地方へ、プッシュで隣町へ。規模の大小を問わず気の知れた仲間たち(ときにはソロで)といつもと違う環境でスケートをするのは最高(ときには最悪も)の経験になるはずです。職業柄、比較的遠征トリップが多めの自分なので、思い出やら記憶が徐々に曖昧になってきてはいますが、10代の頃に自発的に動いた夏のスケートの思い出は色褪せないというか、脳の海馬にしっかり蓄積されております。というか、強烈すぎて頭にこびり付いているという表現の方が適切かも。
自分的スケートトリップの筆おろしは確か中2の夏休み。同級生数名と東京から大阪までローカル線の電車を乗り継ぎアスコットボードパーク(当時大阪にあった全天候型コンクリパーク)へ。ド素人の集まりだったので上級者向けのセクションにて何もメイクできず、尻尾を巻いて逃げるように帰ったのを今でも記憶しています。アホな中坊が集まれば当然カオスが勃発し、世の中の洗礼を浴びながら命からがらサバイブしたわけです。貴重な経験を共にしたそのときの仲間たちとは今でも連絡をとりあう無二の親友です、というのはウソで、今では連絡先すら知りませんが。
そんな戯言はさておき、冬の寒い時期にスケートトリップというのはいろんな意味で難しいでしょうから、特に10代のスケーターたちは後先考えずに、とにかく夏場に自分の生活圏を飛び出しスケートを理由に見知らぬ土地に赴いて欲しい。「なんで?」と聞かれると明確なアンサーは用意できていませんが、そこには野蛮な太陽が待っているから。あちち。
–KE
編集が素晴らしいので実際の状況はわかりかねますが、サマーツアーものの代名詞的作品。