ストリートスケートの礎を築いたスケーターとして真っ先に名前が挙るのが、ゴンズことマーク・ゴンザレスというのはもはや常識レベル。間違いありません。がしかし、もうひとり忘れてはならないのが、ナタス・カウパス氏。Santa Cruzの姉妹ブランド(なぜ兄弟ではなく姉妹というんだっけ?)Santa Monica Airlinesという’80年代後半に活躍していたブランドの長、ジュリアン・ストレンジャーやジム・シーボーを従えていた兄貴的存在にして、今となってはゴッドファーザーです。
’89年に出た『Streets on Fire』のパートを初めて見たときは、冗談抜きでキーマカレーが噴出するレベルでした。冒頭で見せる消火栓グルグルはナタススピンと呼ばれ、スケートボードの可能性を引き出した神業として今でも語り草となっています。前例のなかった時代にクールなトリックの数々を生み出したその発想と実践力こそ、スケートボードの神髄といいますか、スケーター的クリエイティビティの結晶と言っても過言ではありません。
まずは21世紀最大のインベンションのひとつであるYouTubeに『Streets on Fire』が上がっているので全編ご覧ください。スケートボードのルーツを辿るという視点から、作品を吟味してください。忘れてならないのは、このビデオが’80年代に作られたということ。他のスケーターと比べても、明らかにナタス氏だけファッション的にもスタイル的にもスケート的にも先に行っているのが見て伺えます。ellesseやConverseのDr. Jとかアメ横あたりで探しまくった記憶が甦ります…。(つづく)
–KE