VHSMAGをご覧のみなさまお久しぶりです。2011年6月28日から2012年12月25日までの約1年半の間“WEEKLY VIDEO”というコーナーで週1ペースで79タイトルのスケートボード作品のレビューを書いていた柳町と言う者です。
Snake Pornoと言うスケートボード関係のブランドをやっているポルノ好きといった方が早いかもしれませんけど、はい。といったワケでスケートボードの映像でピンッと来たことがあったので久々に筆を執らせてもらいました(キーボード打ってるけど)。
何にピンッと来たかというと、昨今のスケートボード映像作品の編集技法と言うか魅せ方が’80年代後半のPowell Peralta『Ban This』や『Propaganda』などに見られたような時代の最先端の編集技術を駆使した感じがしたからです。
ピンッときた作品はadidas Skateboardingのジャパンチームを起用した『The Splits』。この作品を観てその編集にオジさんスケーターたちは’80年代後半のPowell作品の編集へのオマージュを感じたんじゃないかと思います。少なからず自分はそうで、スケートボード映像作品の温故知新を感じて嬉しくなりました。テクニックだけではスポーツになってしまう。上手いだけじゃなくスケートボードはかっこいいと素直に思わせてくれる良作ですね。
そして今のスケートボード映像の凝った編集の波が来ているなと確信したのはNew Balance Numeric 『Parallax』です。この手法にはヤラれましたね。視覚の盲点をついてくるというか新感覚な魅せ方を織り込んで来てクラいました。
こういった感じで、スケートボードの映像に新感覚の技法を使うことでインターネット上に溢れている他の動画と少し差をつけて、サムネイル止まりではなくクリックして観てもらえる度数が上がるのかな? という事情も感じますが、単純にスケートボード好きポルノおじさんとしましては、まだ見たことのないトリック、まだ見たことのないスポット、まだ見たことのない編集技術…という新しい魅せ方をもっといろいろと観たい。’97年にリリースされたRhythm skateboards『Genesis』や’02年のAdio『One Step Beyond』みたいに「あの時期、あの編集流行ったよね~」なんて昔話をしたいのでどんどん出てきてほしいものですよね。スケートボード映像はひとつの文化であるといっても過言ではないので、その時代その時代を映す鏡となって良作をリリースし続けていってもらえれば自分の老後も楽しみがありそうだね~。とか思ったりしちゃっています。
といったワケで、手前味噌ですが最近、上野伸平、伊藤慎一とプロ契約をしたサングラスブランドEyevolの映像を自分が監修させてもらいました。その作品の中で新しい編集技法を取り入れてみたので革新的なサングラスのフィット感がこの映像を通して伝わったらいいな~と思っておりますので、みなさん再度チェックしてみてください。
–YUH YANAGIMACHI
adidas Skateboardingのジャパンライダーをフィーチャーした『The Splits』。
ラッセル・ホウテンが手掛けたNew Balance Numeric『Parallax』。
伊藤慎一、上野伸平とプロ契約を交わしたEyevolのプロモビデオ。