先日、adidas Skateboardingからノラ・ヴァスコンセロスをフィーチャーしたドキュメンタリー作品“NORA”が公開されました。ディレクターを務めたのはBAのカミングアウトをフィーチャーしたドキュメンタリー作品を手がけたジョヴァンニ・レダ。
アンドリュー・レイノルズやジェフ・グロッソがノラの美しいバックサイドエアーや流れるようなスケートスタイルにリスペクトをしたり、ガイ・マリアーノが彼女の個性的なファッションを讃えたり。スケートとの出会い、地元マサチューセッツ州での幼少期、ファッション、スケートスタイルなど、彼女のさまざまな側面がフォーカスされているのですが、中でも大きなテーマとなっているのが女性スケーターとして感じてきた葛藤。
「今のスケートインダストリーではまだ女性に勝ち目がない。だから大切なのは正しい方向への一歩。“ファックユー、誰が何と言おうとやり抜くんだ”という姿勢」とは本人談。かつて人気を集めたエリッサ・スティーマーも、つねに“女性スケーター”と呼ばれることに葛藤を感じていたとのこと。その他にもレイシー・ベイカーやアレクシス・サブローンなども登場し、女性がスケーターとして認められるにはそれなりの覚悟が必要だと語っています。
ノラにとっての2017年はかなり重要な1年。プロに昇格し、adidas Skateboardingのグループ展The Showcaseに参加し、上海で行われたVans Park Seriesでワールドチャンピオンの座を獲得。男社会が続いてきたスケートコミュニティに多くの女性が参加し、頭角を現してプロに昇格する者も目立つようになってきた昨今。女性スケーターとして初めてadidasと契約し多くのファンを獲得したノラ・ヴァスコンセロスが、スケートコミュニティにおけるジェンダーレス化へのブレイクスルーとなるのは必至でしょう。新たなスケートアイコンが誕生したと言っても過言ではありません。
–MK