共鳴

 スケーターってつくづくアホだな〜(いい意味で)って実感する瞬間。ストリートやパークと異なり、ランプの場合は結構な確率で他人とのセッションを余儀なくされます。
 偶然居合わせたスケーターに軽く会釈をいれつつも勘ぐりスタート。狭いプラットフォームで順番待ちしながら「生意気にIndyのステッカー貼ってるけどトラックThunderじゃねぇかバカヤロ〜」とか、「上手いけど汗かきすぎ」とかあれこれ思考を巡らせながらスカウターで戦闘能力を計測するわけです。10〜20分もするとそんな勘ぐりはどこ吹く風とばかりに、年甲斐もなくみんな一緒になって「いぇ〜!」とか「うぉお〜〜」なんてコーピングにテールを叩き付けながら大騒ぎしてるんだけど。さらにおかしなことに、トリックを決めたとき以上にスラムしたときのほうがみんなブチ上がる。どこの世界に失敗で盛り上がる競技(?)があるんだよ(爆)。ともにスケーターではあるけれど普段は一緒に滑らないような他人同士が、程よい緊張感の中で互いの滑りを称え合うことで生まれる一体感はランプセッションならでは。メイクしようがしまいがあまり関係ないというか、とりあえず“攻めの姿勢”に共鳴しあっちゃう。
 ということで、ランプビデオの教典と言っても過言ではないDLXの『Jim’s Ramp Jam』(’96年)を観たことないって人がいれば、今すぐプッシュPLAY。特に最近多いむっつり系スケーターと無菌室育ちの小動物系スケーターは必見Texas DEATH Match。ポッポォ〜!

─KE

 


『Jim’s Ramp Jam』のベストトリックはジョン・カーディエルのバク宙(失敗)。

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