『Fully Flared』から10年の月日を経て、Lakai待望の最新作『The Flare』が完成。前作からチーム構成を一新してお送りする本作は、先週LAで開催されたプレミア試写会での来場者のコメントによるとかなりの秀作とのこと。しかも、チームのサイズを考えると通常ならば何年もかかると思われた撮影期間もたったの2年(ちなみに『Pretty Sweet』の撮影期間は5年)。確立したプロたちがチームを去った代わりに若い才能を多数迎えたことで、比較的クイックに撮影が進んだのかもしれません。
前作との大きな違いは、登場するライダーだけでなく裏方の制作チームにも及んでいます。かつて映像部隊を統括したアーロン・メザはCrailtapを去り、これまでに数々のCrailtap作品を手がけてきたタイ・エヴァンズも関わっていません。代わりに、ダン・ウィートリーをはじめとする若手フィルマーがフッテージを集め、長年Lakaiを裏で支えてきたフェデリコ・ヴィテッタが総指揮を担当。このように、制作に新たな才能を迎えながらも、Crailtapの作品に欠かせないスパイク・ジョーンズのユニークなアイデアが変わらず作中に散りばめられているとのことなので、キャストやスタッフに変化があってもCrailtapのヴァイブスは健在。しかもうれしいことに、最近ではあまりチェックすることのできないリック・ハワードとマイク・キャロルのフッテージも収録されているとのこと。若手からOGまで、幅広いスケーターの極上の滑りを拝めるのが楽しみでなりません。
この10年の間にチーム構成がめまぐるしく変わっているので、現在のライダーを改めて確認するという意味でも各ライダーのリミックスフッテージ集、“Return of the Flare”をチェックしてください。ちなみにこのリミックス集はダニエル・ポリチェリというフィルマーが作っているのですが、なんでもオンラインのあちこちからフッテージを引っ張ってきているため、BGMが邪魔になるということで消音で編集されています。すべてではありませんが、現場音はまったく違う動画(たとえば『Propeller』のRAW FILESなどBGMなしのもの)から引っ張ってきてアテレコしているということ。それを踏まえた上で観てみるのも面白いかもしれません。
—MK