Powell Peralta、Santa Cruz、Visionがスケートインダストリーの三大勢力とされていた’80年代終わりに1本の名作が誕生しました。1989年リリース、Powell Peraltaの6作目となった『Ban This』。当時はまだ俗に言うところの“ストリートスケート”が発展途上の時代。そして、その進化に多大なる貢献を果たしたセグメントが本作には収録されていました。ガイ・マリアーノ、パウロ・ディアズ、ルディ・ジョンソン、ゲイブリエル・ロドリゲスで構成された“L.A. Boys”。
これはメディアに登場したことのない4名の無名ストリートキッズたちを起用し、これまでにショーケースされることのなかった前衛的なストリートスケーティングをフィーチャーしたもの。監督によるディレクションが散りばめられていながらも、LAのストリートで名を馳せていたパウロを筆頭に、4名の日常的なセッションの模様を垣間見ることができます。ベンチでのセッションもバス停でバスを待っているときに自然と発生したもの。ちなみにスクールヤードでのシーンでは、無名時代のフェイビアン・アロマーやビリー・ヴァルデズも観客として登場しています。
そして先日、スケートの流れが完全にストリートへと移行することを決定づけたこの歴史的セグメントの舞台裏に迫るドキュメンタリー作品がリリースされました。その名も前述のセグメントと同じ『The L.A. Boys』。当時の貴重な未使用フッテージと関係者の証言で綴られるスケートヒストリーの欠片であり、20年振りに4名が揃って楽しくセッションする姿も収録されています。
30年近くも前のセグメントをフィーチャーした作品ではありますが、重要なスケートの歴史に触れてみてはいかがでしょうか? ということで、“The L.A. Boys”のセグメントを振り返りながら、ドキュメンタリー作品のトレーラーをどうぞ。
–MK
1989年リリースの『Ban This』より、“The L.A. Boys”のセグメント。
『The L.A. Boys』のトレーラー。本作はiTunesで購入可。なお、日本語字幕はついていません。