Interview by VHSMAG, Photo by Junpei Ishikawa, Special thanks: adidas Japan
VHSMAG(以下V): 今年初めにadidas Skateboardingに加入しましたが、その経緯から教えてください。
ディエゴ・ナヘラ(以下D): 簡単に言うと、adidasに加入することが夢みたいなものだった。ガキの頃は誰でもadidasを履いた経験があると思う。そうだろう? チームに加入したきっかけは、éSを辞めたことだった。éSを去ったのは個人的な理由。Sole Techの連中はみんな最高だったし、ケリー(・ハート)やドン(・ピエール)も良くしてくれた。いろいろあってシューズスポンサーを探していたんだけど、自分でadidasのシューズを買って履き始めたんだ。
V: 自分でadidasのシューズを買っていたの?
D: そう。adidasからボックスを送ってもらうのではなく買っていた。だってガキの頃にずっと履いていたシューズだから。当時はサッカーをしていて、スケートをするときもadidasのサッカーシューズを履いていた。だからシューズスポンサーがないフリーな状態だとadidasを履くのが自然なことだったんだ。そうしてadidasを履いてフッテージを量産すると、インターネットで「ディエゴがadidasに加入した」と噂が流れるようになった。でもオレは自分でadidasを買っていたんだ。そして、次第にスポンサーの話が舞い込んできた。噂はSNSを通してすぐに広がるから。
V: 確かに。
D: 自然な流れでチームに加入することになったんだ。「adidasに連絡してシューズを送ってもらおう」なんて感じじゃなかった。だからadidasに迎え入れられて光栄に思っている。
V: チームに加入するベストな方法だね。ではadidas Skateboardingの魅力は?
D: 個人的な意見になるけど、運営やライダーの扱い方のすべて。「これを着ろ、あれを履け」なんて指示はない。自分らしく活動させてくれるんだ。それぞれの個性や文化背景をリスペクトしてくれる。細かく着るものにまで意見して自由にさせてくれないカンパニーもあるけど、それは間違っていると思う。adidasは絶対にそんなことは言わない。ライダーの個性を第一に考えて大切にしてくれる。
V: 型にはめたりしない。
D: 絶対にライダーを型にはめない。スケートシューズも最高だ。クラシックなOGモデルを復刻している。たとえば昔みんながスケートで履いていたシェルトゥをスケーターのためにスリムダウンしたり。フレッシュな3本線。シンプルだけど、どれよりも屈強な3本線だ。
V: 最近のお気に入りモデルは?
D: 毎日履いているStan Smith Vulc。フレッシュで新品でもやわらかくてすぐに足に馴染む。オレにとってはStan Smith Vulcがベストシューズ。
V: ではSkate Copa Courtについて。これはどんなイベント? ヨーロッパ、サンパウロ、LAのイベントに参加していたよね?
D: Skate Copa Courtは基本的に楽しいイベント。簡単に説明すると、いい音楽やヴァイブスのスケートパーティ。デモをやって、その後にジャムセッションを行う。そしてイケてるトリックを決めたスケーターにキャッシュを渡すんだ。仲間とセッションを楽しんで、お気に入りのプロの滑りを生で見ることができる。世界中でこのようなスケーターのためのイベントが開催できるのは最高。マジで楽しいイベントだ。
V: adidas Skateboardingはこのようにローカルに根ざした活動を通してコミュニティをサポートしている印象があるね。
D: まさに。いろんな形でコミュニティをサポートしている。adidasのライダーもそれぞれのやり方で個人的にサポートしている。adidasというブランドだけでなく、スケーターたちもコミュニティの活性に尽力しているんだ。キッズにボードやシューズをあげたり。愛情とリスペクトの気持ちをコミュニティに還元しているんだ。最高だよ。
V: Skate Copa Courtではadidas Skateboardingのライダーがメインのセクションをデザインしているんだよね? どの都市のセクションが一番楽しかった?
D: 一番楽しかったのは…(ロドリゴ・)TXがデザインしたサンパウロのセクションかな。あのセクションはフレッシュだった。コースの色のコンビネーションも良かったし。バンプtoネット、バンプtoレッジのメインセクションは楽しかった。
V: 今は日本に来ているわけだけど、聞くところによると今回の来日は4回目なんだよね?
D: そうだね。この2ヵ月で4回来ている。
V: 言える範囲でいいけど、何のプロジェクトで来ているの?
D: 主に日本で撮影をしてフッテージを集めている。最初は大勢での来日で思ったようにフッテージを撮ることができなかった。adidasと話し合ったところ「また日本に行って撮影したいか?」って聞かれたんだ。オレが日本を気に入ったことをみんな知っていたからね。日本のシーンや文化が好きなんだ。要は日本のファンなんだよ。日本は楽しいし共感できることもたくさんある。それに居心地がいい。日本ならたくさんフッテージを残せる気がするんだ。しかも楽しみながらね。
V: でも東京のストリート撮影は大変でしょう?
D: セキュリティという意味ではそうだね。でもキックアウトのないスポットを攻めれば楽しい。日本のスポットは最高だし映像映えするし。それにどこも路面がスムース。
V: いろんなスポットをやっつけているって噂は耳に入っている。
D: できる限りがんばっている。振り返って「よし!」と思えるフッテージを残せるように毎日目標を設定している。最高だよ。
V: カリフォルニアのエルセントロという小さな街でスケートと出会って、次第にAMMOにフックアップされてPrimitiveに移籍。そしてプロに昇格してadidas Skateboardingにも加入した。それを考えると今年は大切な年だったと思う。プロ昇格、またadidas Skateboarding加入して何か変化はあった?
D: 特に何も変わっていない。しいて言えば、周りがオレを見る目が変わったということかな。子供や大人…男性から女性まで、世界中の人々に影響を与えることができるようになった。最近、いろんな場所でよく「インスピレーションを受ける」って言われるんだ。周りからポジティブな反響をもらうようになったことが大きな変化。こんなことは今までなかったから。今では実際に人と接することで、その人の気持ちを悲しみから喜びに変える力を得ることができている。オレにとってはこれが一番の変化。
V: この後はSkate Copa Courtの韓国と東京に参加。そして11月にはPrimitiveでまた戻ってくるんでしょう?
D: その通り。Primitiveのジャパンツアーではサイン会やデモを予定していると思う。もちろんストリートスケートもする。チーム全員が来日するという話だから絶対に見逃さないように。
V: 最高だね。ではスケートボードで成し遂げたいことは?
D: 今の活動を続けてつねに進化すること。何をするにも成長しないとイヤなたちなんだ。ガキの頃からの大きな夢だったプロスケーターになったから、ここからは進化し続けるだけ。オレのやり方でスケートに対する情熱を保ち続けるだけ。
V: ということで次は東京でのSkate Copa Court。メインセクションはゴンズのデザインらしいね。
D: まだそのセクションは見ていないけど、レジェンドのゴンズがデザインしたんだから間違いないだろうね。ゴンズと一緒にスケートできるのも楽しみ。まだ個人的に一緒にセッションしたことがないから、これがゴンズとの初セッション。ゴンズがデザインしたセクションを滑れるのは光栄だ。間違いなく最高の1日になるだろう。
カリフォルニア州エルセントロ出身。1994年生まれ。超人的なポップを駆使したテクニカルトリックで知られるルーキープロ。10月21日(土)に東京・六本木ヒルズアリーナで開催されるSkate Copa Courtでディエゴの生の滑りをチェック。
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