スケートを始めた頃からの長い付き合いの友人にめでたく第一子が生まれ、先日祝いの酒を交わしてきたところです。朝から晩まで仕事で忙しく、休日も僕より少ないという生活の中、映像を溜めているスキモノの彼ですから、生まれてきた子供も数年後にはスケートに乗っているに違いない…。同世代の仲間に子供が生まれ、親子でスケートを楽しむ姿は微笑ましく「自分もいつかは…」と願う次第。
最近に始まったことではないですが、親子でスケートを楽しむ家族ってかなり増えましたね。その昔は反抗期のバカ息子がどこかでスケートボードを覚え、仲間とつるむうちに親離れしていくというのが大半だったはず。そんなバカ息子(バカ娘)もやがて大人になり、生まれてきた子供とスケートを楽しんでいる。兄弟姉妹や親戚同士でもスケートをするファミリーは結構あるんじゃないでしょうか。自分の小学生の頃を思い返してみると、家族や兄弟で野球やサッカーをする人はよくいたものですが、今やスケートボードもそんな立ち位置のひとつとして浸透してきたのかなと思うところ。
どちらかと言えばインドア派の両親に育てられた自分は、周りの友人が一家でスポーツを楽しんでいる姿やスポーツマンタイプの親がとてもかっこよく見えたものです。良くも悪くも今はスケートボードがアンダーグラウンドなものからメジャーな遊びに変わりつつあり、スケートに没頭する親がその遺伝子を子に引き継いでいるのです。第一線で活躍する若手スケーターに話を聞くと「親もスケーター」ということが多々あります。たとえば「4歳の頃には朝からCreatureのビデオを観ていたよ」なんて最高でしょ? そうやって次第にスケート一家というものが世に形成されていくのかもしれません。たとえば海外ではスティーブ&アレックス・オルソン、トニー&ライリー・ホークといった親子、マイク&ジェイク・アンダーソンやローマン&セドリック・パビッチといった兄弟スケーターが有名ですが、ナケル・スミスの叔父がかのカリーム・キャンベルであると最近知って驚きました。世代をまたいでスター選手を輩出する家系…憧れます。
先祖代々政治家の家系があるように、何代にもわたってお店を守り継ぐ家族があるように、スケートボードやそれに関わる産業に携わる一家が増えていくだろうことは明らか。将来は3世代に渡りスケートをする一家というのも珍しいことではなくなるでしょう。また女性スケーターの活躍も華々しい昨今、近い将来は母娘でプロスケーターという家族の姿も見れるかもしれません。そんな社会って素敵だと思いませんか?
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)