事件発生から1ヵ月近くが経とうとしているのに騒ぎは収まるどころか、むしろ大きくなるばかりの日大アメフト部タックル事件。中でも注目を集めたのは反則タックルを実行した選手の会見。公に顔を出し自分の行為を謝罪、真摯に語る姿に賞賛の声があがりました。加えてアメフト活動から身を引く意向を発表したものの、被害を受けた選手から「また戦いたい」と言わしめ、関西学院大学のチームからも処分の減軽や「もし日大での活動ができなくなるのであれば移籍も考慮できる」との誘いも引き出せるというのだから立派なもの。一方の日大アメフト部のコーチや監督、上層部のグダグダ感。責任逃れや自己保身に走る姿は目を当てられません。日本式の体育会系の悪しき風習と時代遅れの体質を凝縮した、起こるべきして起こった事件。極めつけは大学広報担当がやらかした会見。日本初の危機管理学部を設置ということで「こんなのもあるんか」なんて自分も最近電車内の広告を見て思っていたものの、大学自ら社会的危機に対応できていない…そりゃ橋下 徹さんから「日本大学危機管理学部は何してる!」なんてヤジを飛ばされるワケです。今回においては大学側は皮肉にも選手であり生徒の側から教えられることが多かったことでしょう。
スケートボードをやっていても人に謝らざるを得ないことってあるかと思います。スポットで近くの住人やセキュリティにキックアウトされるときなどなど。そんなの日常茶飯事な僕らは「ハイ、すみませんでした〜」ぐらいの軽い謝罪でOKでしょう。例のタックル事件のように大ごとになったワケではないものの僕が本気で謝罪した出来事をここで書かせてください。それはとある日、いつもと変わらずプッシュしてたら少し先の方に犬を散歩中のおばあちゃんが。犬ってなかなかの割合でスケートに反応しますよね、その時僕のスケートを見て興奮したのはよりによって大型犬のラブラドール。そう、騒ぎ立てるラブラドール犬をコントロールできずにそのおばあちゃん、転んでしまったのです。さすがに焦りました、幸いケガも無かったことを確認して謝罪の言葉を伝えたのですが、とてつもなく悪いことをしたような気がしてならず少し暗い気持ちになりました。スケートをしていて故意でないにせよ他人にデッキをぶつけてしまうのは、自分的にもツライですよねぇ…。万が一やらかしてしまった時、素直に謝ることのできる誠意はつねに持ちつつ日々のスケートを楽しみたいところです。
今回の一連の騒動を見てて思い出したそんな過去のこと。また同時にタックルのシーンが収録されたスケートビデオなんかもふと頭をよぎったという話。それらは正義のタックルとして扱われているけど、昨今の騒動がある中ではちょっと不謹慎だろうか(笑)。
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)