劇場公開がスタートした映画『All the Streets Are Silent:ニューヨーク(1987-1997)ヒップホップとスケートボードの融合』の監督ジェレミー・エルキン(www.vhsmag.com/voice-of-freedom/jeremy-elkin-jp/)とNYの伝説Club Marsを手掛けたユキ・ワタナベ(www.vhsmag.com/random/yuki-watanabe/)のインタビューはチェックいただけましたでしょうか。まだという人は是非読んでほしい。
この映画はスケートとHip-Hopの融合をテーマに'87年から'97年の10年間にフォーカスを当てた作品。Zoo Yorkのファウンダーであるイーライ・ゲスナー、そしてユキが撮影した膨大な量のアーカイブ映像を軸に知られざる当時の話が展開していきます。前半はClub Marsで起きた奇跡のような出来事に加え、そこでスケートとHip-Hopが邂逅した話。後半はZoo Yorkがシーンに与えたインパクトといった感じ。スケーターもHip-Hopファンも楽しめる作品に仕上がっています。当時を知る中年は答え合わせができ、若い世代は現代のストリートシーンの礎を知ることができる歴史の授業といったところでしょうか。
その内容は是非映画を観ていただきたいのですが、ここでいくつか知られていない裏話を。イーライは世界初のストリートウェアブランドとされている(諸説あり)Phat Farmを手掛けていたことでも知られていますが、彼とオーナーのラッセル・シモンズを繋げたのがユキだったということ。さらにイーライがZoo Yorkをスタートさせるときも、彼はユキに手伝ってほしいとパートナーシップをオファーしていたとか。もしもユキが加わっていれば、今日のZoo Yorkの在り方も変わっていたかもしれません。ちなみにZoo York『Mixtape』にはFat Joeのフリースタイルが収録されていますが、この映画に使用されていません。なんでもイーライがその貴重なテープの上から彼女とのハワイ旅行の思い出かなんかを撮っちゃったらしい。頼みますよ、イーライさん…。
とにかく『All the Streets Are Silent』は劇場公開中。興味深い内容ですので、劇場情報をチェックしてお近くの映画館でお楽しみください。
公式サイト:https://atsas.jp/
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